「判断を下す」とは、それぞれの案のメリットを挙げることじゃない。

こんにちは読書ブロガーネルです!

最近、仕事をしていて、「これって当たり前だけど、意識しないとやってしまいがちだよな~。」と思うことがありました。

それは、「判断を下すとは、それぞれの案のメリットを挙げることではない。」という話です。

 

この記事のまとめ
  1. 案を比較検討するときに、「各案のメリット」を挙げることは、判断ではなく「作業」である
  2. その作業から、「それで、結果的にどの案を選ぶの?」という問いに答えることが「判断」
  3. 絶対的な正解がない問題だからこそ、仕事では「判断」が求められる

 

判断をする=それぞれのメリットを挙げること?

仕事をしていると、たま~に、こんなことってありませんか?

 

「A案とB案のどちらが良いか迷うな~。」

→「とりあえず、A案とB案のメリット・デメリットをまとめてみよー!」

 

そうして出てきたアウトプットがこちら。

「A案は、〇〇という点でメリットがあるが、B案はXXという点でメリットがある!!」

「う~ん。結局、どっちにも良い所があるから、決めきれんよな・・・。」

 

こう書くと、少しアホっぽいですが、、(笑)

仕事をしていると、割りと”あるある”の話じゃないかな、と思います。

 

そしてこれは果たして、「判断を下した」ということになるんでしょうか・・・?

 

各案の特徴をまとめることは、作業であって判断ではない

先程の例のように、A案とB案の特徴をまとめることは「判断」ではなく「作業」です。

各案のメリットを「表形式」で綺麗にまとめたりすると、つい「仕事したぜ!」という気持ちになりますが、、。

それはただの”作業”なので、立派な仕事とはあまり言えません。

 

じゃあ一体、どんなものが「判断」と呼ばれるの?ということになります。

 

判断とは、「A案にしよう」もしくは「B案にしよう」と、はっきり言い切ることです。

「A案は効果がありそうだがコストがかかる。対してB案は手軽だが効果は薄そうだな」と答えることは「判断」ではなく、”はぐらかし”だ。

「A案で進めよう」とクリアに答えること、それがまず「判断」には求められる。

(引用:『目的ドリブンの思考法』Kindle位置:2,129)

 

この本では、A案・B案それぞれのメリットを挙げることを、”はぐらかし”とまで呼んでいます・・・(笑)

 

どんな案にも必ずメリットは存在する

「でも、A案もB案もそれぞれメリットがあることは確かなはず。」

「そんな風に、いつも明確に決められるとは限らないでしょ・・・。」

もしかしたら、そんな風に思ったかもしれません。

 

・・・しかし、冷静に考えてみてください。

たとえどんな案でも「必ずメリットは存在する」んです。

 

例として、「社内に、人事管理システムを導入しよう!」というとき。

  • A案:一般的な管理システムを購入して導入する
  • B案:IT会社に依頼して、独自のシステムを作ってもらう

と2つの案で迷っているとしましょう。

 

この場合の各案のメリットは、以下のようなものが挙がりますよね。

  • A案:導入スピードがはやい。バグが少ない。
  • B案:独自の機能を盛り込める。

 

さらに、会議の中で検討を重ねていったところ、

「C案:そもそもシステムを導入しない」という案が出てきたとしましょう。

 

すると、C案のメリットは以下となります。

C案:お金がかからない。既存の業務のままなので、トラブルが発生しない。

 

・・・どうですか?

C案ですら、こうやってメリットを挙げていくと、「え?別にC案もメリットがあるし、C案でも良いんじゃね?」ということになってきますよね。

 

ここまで見てきてわかったように、「どんな案にもメリット/デメリットは必ず存在する」んですね。

「うわあああ。全部それぞれ違ったメリットがあるから、どれか1つを選ぶなんてできないよ。」なんて感じてしまうかもしれません。

 

どんな案にもメリットがあるからこそ、「判断」することが必要

・・・ですが、こういった「決めきれないよ!」という状況でも、「〇〇案が良い!」と結論を出すことが、「判断を下す」ということなんです。

 

大事な考え方を引用します。

すべての情報や条件が完全にそろって100%確実な判断を下せる理想的な環境はありえない。情報や条件が不完全だからこそ「判断」が求められ、その不完全さを埋めるために”意思入れ”が必要になる。

(引用:『目的ドリブンの思考法』Kindle位置:2,138)

 

そう、「それぞれにメリットがあるから選べないよ!」ではなく、「それぞれにメリットがあり、絶対的な結論が”ないからこそ”、『判断』が必要になる」んです。

そもそも、「絶対的な結論」があるのなら、それは機械的に出せる結論であり、判断自体が必要ないですよね。

 

そうすると今度は、「じゃあ、どうやって判断を下すのよ?」という話になってくると思います。

結論から言うとそれは、「目的に添っている度合いで判断する」ということになります。

 

先程の「社内の人事システムを新たに導入しよう!」というプロジェクトを再度使用してみます。

振り返ると・・・

  • A案:一般的なシステムの導入
  • B案:システム開発を外部に依頼
  • C案:そもそもシステムを導入しない

でした。

 

そこで、このプロジェクトの「目的」を確認してみとします。

 

すると、部長から以下のように回答がありました。

「この会社は成長し、人材も増えてきた。そこで、早急に人事管理を効率化する必要があるんだよ。ちなみに、予算は1,000万円まで使えることになっている。」

 

つまり、このプロジェクトの目的は、「予算1,000万円の範囲で、迅速に効率化すること」だとわかりました。

 

この基準を先程のA~C案に照らし合わせると、以下となりました。

  • A案:導入時期も早いし、人事業務が30%以上削減されそうだとわかった。金額も800万円で導入できそうだ。
  • B案:業務は50%ほど削減できる見込み。だが、1から開発するため、2年はかかる。金額も2000万円は超えるだろう。
  • C案:お金はかからないが、システムなしでは業務効率化はもはや限界。工夫しても、せいぜい業務5%減というところだろう。

 

このように考えると、「A案が最良の案」ということになります。

目的が明確だと、「その目的に沿った比較基準」を設けることができるため、判断がはじめて可能になるんですね。

 

また、「目的が別のパターン」も見てみましょう。

たとえば部長が、「今、会社は懐事情が厳しく、予算はあんまりない・・・。経費削減のために、人事業務を効率化できないか?」と言ってきた場合。

目的は、「予算はあまりかけずに、迅速に人事業務を効率化する」ことだとわかりました。

 

・・・すると、今度は「C案:新たなシステムは採用せず、現業務のムダ削減による効率化」が最良の案となるんですね。

このように、目的によって案は明確に採用できますし、もっというと、目的によって採用すべき案は変わってくるんですね。

 

まとめ

まとめると、「判断を下す」とは、「いろいろな案がある中で、目的にそっている度合いを示して、最良の案を決めること」なんです。

決して、「それぞれの案にこういったメリットがある」と示すことではない、ということに注意が必要なんですね。

 

なにかの決断をしたいときに、ついつい、それぞれのメリット・デメリットを挙げるだけで終わってしまいがちだと思います。

その案から、「目的から考えると、この案で決定です!」と言い切ること。

それこそが、「判断」ということなんですね。

 

今回の話を書くにあたって参考にした本は、以下です。

『目的ドリブンの思考法』(画像クリックでAmazonのページにジャンプします)

仕事において、「目的を正しく定めることがいかに重要か?」ということが、ど直球にわかる最高の本でした!!

普段の仕事で、「日頃から忙しいけど、パッとした成果に繋がらないんだよな~」という方がいれば、それは「目的の把握」が不足している可能性大です。

この本で、「目的を正しく把握することの重要さ」をぜひ、再確認してみてほしいです。

 

この記事のまとめ
  1. 案を比較検討するときに、「各案のメリット」を挙げることは、判断ではなく「作業」である
  2. その作業から、「それで、結果的にどの案を選ぶの?」という問いに答えることが「判断」
  3. 絶対的な正解がない問題だからこそ、仕事では「判断」が求められる

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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