「何だこの本!初めて読んだジャンルだけどめっちゃ面白いな!!」
読書していると、時々こういった「嬉しい発見」ってありませんか?
読書好きの人の多くは、ほぼ例外なく「好きなジャンルの本」があるはずです。
そして本屋に行くと、いつも似たような本を手にとってしまう、というのは”あるある”ですよね笑
しかし、「何気なく手にとってみたら、この本めっちゃんこ面白い!」っていう発見も、読書の大きな楽しみだと私は強く思っています。

その「意外な発見」を楽しみに、これまでとにかく色んなジャンルの本にも挑戦してきました。
そんな中で、「これは、ぜひとも他人におすすめしたい!」と思える本にも、沢山出会ってきたんですね。
そこで今回は、これまで1,000冊以上は読んできた沢山の読書記録から、「新たな価値観を得られた!」「視野が広がった!」という本をまとめていきたいと思います!

【目次】
視野が広がる本11選
さっそく結論からお伝えします。
自分の視野を広げてくれる超おすすめの本は以下の11冊です。
- 「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考
- 武器になる哲学
- 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか
- 社会心理学講義
- 最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常
- 自閉症の僕が跳びはねる理由
- 利己的な遺伝子
- 怖い絵
- 正義の教室 善く生きるための哲学入門
- 働かないアリに意義がある
- 予想どおりに不合理
順番にテンポよく紹介していきますね!

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考
【難易度:小】
まずは、つい最近読んだこの本。
「アートとは一体何なのか?」という誰もが抱くような問いに、丁寧に答えてくれている本です。
面白いポイントは、ぼくらが抱いているアートへの偏見・常識を、ことごとく”先回り”してぶち壊してくれることです笑
その男の子は、作品名だとか解説文といった既存の情報に「正解」を見つけ出そうとはしませんでした。むしろ、「自分だけのものの見方」でその作品をとらえて、「彼なりの答え」を手に入れています。
(Kinlde位置:38)
「ピカソの絵って、下手くそなのに、あれだけ人気ある理由がわからんわ・・・。」
もしあなたがそう思っているならば、この本を今すぐ手に取るべきです!

武器になる哲学
【難易度:中】
本ブログでは、何度も紹介しているこの本!
哲学って何だが難しくて、「知ったところで何になるの・・・?」と感じてしまうものが多いでしょう。
そんな中でこの本は、「『哲学的な考え方』を、もしも『現代の問題』に活かしたら、こうやって考えることができるよ!」という視点で議論がされています。
哲学を学ぶと「役に立つ」とか「カッコいい」とか「賢くなる」ということではない、哲学を学ばずに社会的な立場だけを得た人、そのような人は「文明にとっての脅威」、つまり「危険な存在」になってしまうというのがハッチンスの指摘です。
(Kindle位置:36)
もしかしたらあなたは、「哲学って、科学が未発達だった昔の人が一生懸命考えていた学問でしょ?」という印象を受けているかもしれません。
しかし本書を読むと、哲学に使われている「考え方そのもの」は現代でも強力に活かせる、ということを知ることができます。
哲学をこれまで真剣に学んだことがない人にとっては、視野が広がること間違いなしですよ!

人間の性はなぜ奇妙に進化したのか
【難易度:中】
人間もあくまで「動物の1種」である。
そう冷静に捉え、性に関する冷静な議論をしている本です。
なぜ男性は、浮気性ばかりなのか?
なぜ一般的に女性のほうが、子供に愛情深いのか?
こういう疑問を少しでも抱いたことがある人は、ぜひ読んでみることをお勧めします。
(前略)知的なパラドックスである。自然淘汰の本質は、より多くの子孫を残すような形質の遺伝子が広まることである。それなのに、なぜ自然淘汰によって、一つの生物種のすべてのメスが、多くの子孫を残す能力を失わせる遺伝子を担うようになったのだろうか?
(Kindle位置:1,723)
生物学の知識を吸収していくと、
「なるほど、、。だから、男性はこうで女性はこうなのかもな。」
と納得できる箇所が間違いなく見つかるはずです!

社会心理学講義
【難易度:高】
心理学の話を、数々の実験結果を引用しながら、非常に論理的に語っている本です。
何よりも本書で特徴的なのは、「今すぐ使える心理学!」みたいな生易しい本とは大きく違い、「人間は根本的にどのような感情を抱き、どう行動する生き物なのか」を考えるうえで、非常に参考になる、という点です。
理論の正しさを確かめるために実験をするのだと普通信じられていますが、その発想自体がつまらない。逆に、理論の不備を露わにすることで、慣れ親しんだ世界像を破壊し、その衝撃から、さらに斬新な理論が生まれるきっかけを提出することこそが実験に本来期待されるべき役割です。
(Kindle位置:595)
紹介されている実験内容によっては衝撃を受けたりして、知的好奇心がぐいぐいと刺激されると思います。
「人間はこうです。」
とか、よくある言い切りではなく、様々な研究を紹介しながら、
「・・・と一般には考えられているが、これらの研究から考え直すと、もしかしたら人間の本質ってこうかもよ?」
という「ハッとさせられる主張」が次々に展開されていくのが特徴です。

最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常
【難易度:小】
こちらは、今回取り上げた本の中でも、かなり読みやすい本なので安心してください。
「東京藝術大学」という、一般人に縁のない場所で、どのような学生たちが活躍しているのか?
まるで自分が見学に行ったかのように、リアルに楽しませてくれる本です。
「音楽環境創造科には、『自己表現』って試験科目があるのよ」 音校卒業生の柳澤さんが、同級生の逸話を教えてくれた。 「自己表現……?」 「何でもいいから、自分をアピールするの。私の友達は、ホルンで四コマ漫画をやったわ」 「えっ、どういうこと?」
(Kindle位置:570)
「世の中には、こんな独特の世界観の場所があるのか・・・」
そういう強い驚きを得た一冊でした(笑)

自閉症の僕が跳びはねる理由
【難易度:小】
「自閉症」である著者が、両親の協力のもと長い時間をかけて書き上げた本です。
多くの人にとって、「自閉症の人の意見を聞く」という体験自体が、非常に貴重なことなのではないでしょうか。
赤ちゃん扱いされるたびに、みじめな気持ちになり、僕たちには永遠に未来は訪れないような気がします。 本当の優しさというのは、相手の自尊心を傷つけないことだと思うのです。
(Kindle位置:182)
「ぼくが辛いのは、周りから”赤ちゃん”のように扱われること。」
この一文にハッとさせられました。
知的障害を持った方に、”赤ちゃん言葉”で接してしまっている人って、かなり多いのではないでしょうか・・・。
この本を読むことで、自閉症の方が普段何を感じ、何に苦しんでいるのかを知ることができます。

利己的な遺伝子
【難易度:高】
生物学の名著で、「タイトルだけは聞いたことがある。」という方が多いのではないでしょうか。
「私たち生物は、遺伝子によって生かされている使い捨ての乗り物にすぎない。」
という衝撃的な話を解説している本です。
「利己的な遺伝子」というタイトルを見ると、
「一般的な生物と違って、人間は利己的な面だけではなく、他者を助ける優しい心も持っているに決まっている・・・!」
知性をもつ人として、こう主張したい気持ちはよく分かります。
しかし本書では、以下のようにバッサリと言い切っているんですね。
よく調べてみると、利他的に見える行為はじつは姿を変えた利己主義であることが多い。
(Kindle位置:574)
なぜそう言えるのか?それは、「遺伝子が生き延びるための条件が、利己的であることだから」ということなんですね。
詳しい内容が気になる方は、ぜひ本書にチャレンジしてみてください。
遺伝子とは一体どういうものなのか、よく考えさせられる本です。

怖い絵
【難易度:小】
「まずは、この絵を見てください。何か感じることがありますか?」
↓↓↓
「実はこれは・・・」
という展開で、「絵と解説のセット」で次々に紹介されていく本です。
タイトルが「怖い絵」とありますが、お化けとかゾンビとかそういった非科学的な怖さではないのが特徴です。
その絵が描かれた歴史的背景や、画家の特徴をしっかりと解説しながら、「その絵にどんな意味が込められているのか」ということを、初心者にもわかりやすく説明してくれるんですね。
その解説を読んだあとに絵を見返すと、「最初に見たときとは全然違った見え方になる」という点が何よりも面白いです。
一番恐ろしいのは天変地異でも幽霊でもなく、生きた人間だと肝に銘じた者にしか、『いかさま師』のぎろりとした横眼は描けなかったのかもしれない
(Kindle位置:210)
1冊目で「アートの見方」についての本を紹介しましたが、本書では、「知識があることで、アートの楽しみ方がぐんと広がる」ということを体感できると思います。

正義の教室 善く生きるための哲学入門
【難易度:中】
タイトルの通り、「正義って、一体何なの・・・?」ということを考えさせられる本です。
「確実に”正義”ではない、と言えることが一つだけある。それは、何が正義かを事前に決めつけること」
本書の著者「飲茶さん」は、初心者向けの哲学本を書くベストセラー作家として、非常に人気の方です。
代表的な本に、以下の「西洋哲学の入門書」があります。
著者の本の中でも、「正義の教室」は、哲学の知識がなくても本の中で一緒に考えを巡らせる体験がしやすい、と思います。

働かないアリに意義がある
「働かないアリに意義がある」なんて、”ワクワク”するタイトルだと感じるのは私だけでしょうか・・・?笑
つまり誰もが必ず疲れる以上、働かないものを常に含む非効率的なシステムでこそ、長期的な存続が可能になり、長い時間を通してみたらそういうシステムが選ばれていた、ということになります。
(Kindle位置:759)
「働きアリの法則」とか、「2:8の法則」なんて言葉を聞いたことがあるかもしれません。
一般的に、アリ社会も人社会も、「組織の中で一定割合は、必ず”サボる”メンバーが出てくる」という理論ですね。
このサボる人に対して、「なんとかして、こいつらも頑張って働かせよう」とつい考えてしまいがちです。
しかし、本書を通じて、
「こういうサボるメンバーがいるからこそ、もしかしたら組織はうまく回っているのかもしれない。」
そう考えるきっかけを得られるかもしれません。

予想どおりに不合理
【難易度:中】
「人間は、合理的に見えて、実はどれだけ”非合理的な”生き物であるか」ということを、解説している本です。
紹介を兼ねて、本書から1つ例を出しますね。
仮にあなたが「あるレストランのオーナー」だったとします。
そして、「お店で一番売りたいメニュー」が1つあるとしたら、どんな価格設定をすべきだと思いますか?
本書によると、その答えは、「その売りたいメニューよりも、少し高い”おとり”メニューを1つ設定する」というのです。
たいていの人は、メニューのなかでいちばん高い料理は注文しなくても、つぎに高い料理なら注文するからだ。そのため、値段の高い料理をひとつ載せておくことで、二番めに高い料理を注文するようお客をいざなうことができる
(Kindle位置:312)
こういった「人間心理」と「経済学」の知識をあわせた分野は「行動経済学」と呼ばれ、沢山の本が出版されています。
中でも、下記の『影響力の武器』という本が一番有名ではないでしょうか。
本書も非常に面白いですが、「初心者に読みやすく」「文章にひねりがあり、くすっときて面白い」という点で、どちらも未読の方には、『予想通りに不合理』をおすすめします。

まとめ
今回は、「価値観・視野が広がる本」を11冊紹介しました。
普段から、ベストセラー本・人気本を中心に読んでいる方でも、「これ系の本はあんまり読まないな~。」なんて場合が多いと思います。
まさにそんな方にこそ、本記事から1冊でも気になった本を読んでいただき、「たしかに、こういった本もめちゃくちゃ面白いかも・・・!」と体験してくれると嬉しいです!
今後も色々な本を読んでいくので、また面白い発見があったら当ブログで紹介していきますね!
- 「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考
- 武器になる哲学
- 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか
- 社会心理学講義
- 最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常
- 自閉症の僕が跳びはねる理由
- 利己的な遺伝子
- 怖い絵
- 正義の教室 善く生きるための哲学入門
- 働かないアリに意義がある
- 予想どおりに不合理
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!