【研究者の仕事】教科書に「書かれていないこと」を読み取り、見つけること

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こんにちはネルです!

今回は、「【研究者の仕事】教科書に「書かれていないこと」を読み取り、見つけること」というテーマで話をまとめていきます!

参考にした本は、長谷川 英祐『働かないアリに意義がある』です。

 

この記事のまとめ
  • 研究者は教科書に”書かれていないこと”に目を向けるのが仕事
  • 優等生ほど教科書を軸に考えてしまいがち
  • 勉強は苦手でも研究には向いているという学生も大切にすべき

『働かないアリに意義がある』(画像クリックでAmazonのページにジャンプします)

それでは順番にポイントをまとめていきます!

 

研究者の仕事とは、教科書に”書かれていないこと”を読み取ること

さっそくですが、本文より引用します。

多くの研究者(プロを含む)は、教科書を読むときに「何が書いてあるかを理解すること」ばかりに熱心で、「そこには何が書かれていないか」を読み取ろうとはしません。学者の仕事は「まだ誰も知らない現象やその説明理論を見つけること」なのにです。

引用:『働かないアリに意義がある』

生物学の研究をしている筆者だからこそ語れる大切な箇所だと思ったため、引用しました!

 

学生と研究者とでは以下のような違いがあるということですね!

  • 学生:教科書に書いてあることを理解する
  • 研究者:教科書に「書かれていないこと」を読み取る

 

そして、これまで学生として教科書の理解・暗記をしてきた人たちは、研究者となっても、つい教科書や文献に書いてあることがすべてだと思ってしまいがち。

しかし、本当の研究者というのは、教科書に”書かれていないこと”に価値を見出し、それを自分の手で発見するということなんですね!

ヒヨコ
「研究」という活動の本質を突いた言葉・・・!

 

学生のとある質問:「それは教科書には載っていません」

大学の一教員である著者は、かつて学生にある質問をされて「これは〇〇という意味だ」と答えたのにも関わらず、後日その学生に「それは教科書には載っていません」と言われた、という経験を語っていました。

 

そのときの著者の話が以下です。

私はそのとき「君は自分の頭で納得したことより、教科書に書いてあるかどうかを正しいかどうかの基準にするのか?科学者は、正しいと思ったことは世界中のすべての人が〝それは違う〟と言ったとしても”こういう理由であなた方のほうが間違っている”と言わなければならない存在なのに?」と怒りました。

私も大学で理系学生として研究をしていたこともあるので、この学生の気持ちはよくわかります。

やっぱり、「教科書に書いてないんだから、教授が言っていることが間違っているのでは・・・?」とつい思ってしまうこともあるんですよね。

 

しかし、この文章を読んでたしかにと、著者の話には強く納得しました。

「科学者とは、世界中の人が”それは違う”と言ったとしても、”こういう理由であなた方のほうが間違っている”と言わなければならない存在」

世の中を大きく発展させてきた科学はすべて、ある1人の科学者が見つけ出し、それを世界中の人に証明してみせて広めていったものなんですよね。

 

そういった意味で、教科書を基準にしていたら、いつまで経っても新しい発見をすることができないわけなんです。

特にこれから、研究が始まるという学生の皆さんは、ぜひこういったことを意識して自身の研究に取り組んでほしいと思います!

 

「優等生=良い研究者」とは限らない

ここまでで、「教科書に書いてあることが全てと捉えていては、良い研究者にはなれない」という話をまとめてきました。

 

学生でも、「優等生」と呼ばれる人達は一般的に「教科書に書いてあることをどこまで正確に暗記できているか」という軸で評価されますよね。

つまり、教科書のような「正解」が確実に存在し、それに沿って評価することができるわけなんです。

 

しかし、研究者となった瞬間に「まだ誰も正解を知らない問いを、自身の力だけで切り開き、それを周囲に示す能力」が求められるようになります。

これには、その研究分野に対して「どれだけ興味をもって取り組めるか」という点や、「運」も大きく関係してくることになります。

そして、勉強をすることが嫌いな人でも、興味のある分野の研究なら、朝から晩まで楽しんで取り組める、という学生も少なくありません。

 

よって、「優等生=優秀な研究者」とは言えないというわけなんです!

 

良い研究をするためには”優等生”に限られるのが現状

しかし、良い研究をするためには「良い研究施設」が必要となり、そこに入るためには「良い成績を取れる”優等生”とならなければならない」というのが今の制度となっています。

 

たしかに確率的に見れば、「きちんと基礎を頭に入れられている人は良い研究ができる可能性が高い」という事実はあるはずですが、時には「成績は低くても、研究には向いている」という性格の学生も中にはいると思っています。

そして、こういった研究気質の人達が、画期的な新科学を発見する可能性も非常に高いものではないでしょうか。

 

国の制度として、上手にこういった人達をうまく拾い出しような仕組みを作り、適切な研究環境が用意できるようになればと思った箇所でもありました!

ヒヨコ
いかに優れた「研究者」を多く持つかが、その国の力強さに大きく繋がると言いますよね・・・!

 

まとめ

今回は、『働かないアリに意義がある』より、「【研究者の仕事】教科書に「書かれていないこと」を読み取り、見つけること」というテーマで話をまとめていきました!

生物学としての勉強にもなる本でしたが、「一研究者」としての心構え、という部分でも非常に心に響く文章が多い本でした!

特に、これから研究が始まるという学生の人達にはぜひ読んでみてほしいです!

 

この記事のまとめ
  • 研究者は教科書に”書かれていないこと”に目を向けるのが仕事
  • 優等生ほど教科書を軸に考えてしまいがち
  • 勉強は苦手でも研究には向いているという学生も大切にすべき

『働かないアリに意義がある』(画像クリックでAmazonのページにジャンプします)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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