恩田陸『蜜蜂と遠雷』書評・感想と【心に残った言葉】のまとめ

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こんにちはネルです!

今回は、恩田陸『蜜蜂と遠雷』を読んだ感想と、「心に残った言葉」について簡単にまとめていきます!

すでに読んだ人も、これから買おうか迷っている人も「心に残った言葉」はぜひ確認してみてください!

 

特に印象に残った言葉
  • ピアノは「弾く」と「弾ける」は大違い
  • 審査員も聴衆や演奏者に「評価される」という立場に立っている
  • 真の演奏者は曲に込められた真の想いを掘り出して音に乗せる

『蜜蜂と遠雷』(画像クリックでAmazonのページにジャンプします)

それでは、順番にポイントをまとめていきます!

 

『蜜蜂と遠雷』を読んだ感想・書評

この本は、ピアノコンクールについて描いた物語です。

「3年に一度の国際コンクール」に勝つために、多くのピアニストたちが人生をかけて優勝を目指す。

 

ぼくはピアノなんて全く弾けず、縁もない世界でした。

しかし、この本はとても分厚いにも関わらず、情景描写や心理描写にぐぐっと惹かれる本でした!

 

たとえば、ピアノを演奏している場面が文章でぎっしりと表現されているんですよね。

こういったものは普通、映画などで「映像」や「音声」を見たり聞いたりしないと、心に響かないものだと思っていました。

しかし、この本は違う!

演奏中の緊迫感、その演奏者の音による表現の仕方やピアノを弾いている様子が、映像を見ているかのようにありありと目の前に浮かんでくる文章だったんです!

とにかく、作者の卓越した文章力の高さに驚かされる本だと感じました。

 

普段音楽に関わっている人以外にも、僕のように「全く音楽なんかと縁がない!」という人にこそ読んでほしい本です!

ヒヨコ
音楽に命をかけるとはどういうことか、よく考えさせられました!

 

心に残った言葉・名言

それでは、せっかくなので『蜜蜂と遠雷』の中で特に印象に残った言葉をいくつか紹介していきます!

 

「弾ける」と「弾く」の違い

「弾ける」のと「弾く」のとは似て非なるものであり、両者のあいだには深い溝がある、とナサニエルは思う。

(本文引用)

同じピアノを演奏すると言っても、「弾ける」のと、ただ「弾く」というのは違うという言葉です。

 

そして、「弾ける」から弾いている者の中にも「弾く」才能が埋もれていることもある。

さらに、「弾く」ことに熱意を燃やしている者でも気持ちが空回りして実態が伴っていない者がいる、というのです。

 

ただ、ピアノの「音を鳴らしているだけ」なのか、それとも、「自分の表現」として音を奏でているか、という点は非常に大きな違いがあるということなんですね!

ヒヨコ
弾けるというレベルに達するには、努力や才能がいるんですね!自分は弾けもしないんじゃ・・・(笑)

 

審査員は審査を「している」と同時に審査を「されている」

よく言われることだが、審査員は審査するほうでありながら、審査されている。審査することによって、その人の音楽性や音楽に対する姿勢を露呈してしまうのだ。分かっているつもりだった。三枝子は暗い気持ちで考えた。

(本文引用)

この本は、ピアノ演奏者の心の葛藤だけではなく、「審査員の気持ち」もリアルで細やかに描かれていました!

そして、そんな審査員が置かれている立場を上手く表現したのがこの言葉です。

「審査員は、審査することによってその人自身の音楽性や音楽に対する姿勢を皆に示すことになる」

個人的に、ハッとさせられた箇所でした!

 

奏者たちは、コンクール優勝のために命をかけて練習を積んできている。

一方で、審査員たちはそんな奏者の気持ちもつゆ知らず、勝手気ままに採点しているようなイメージが少なからずありますよね。

しかし、実は審査員も”試されて”いるという事実があるんです。

 

どういった音楽に高得点をつけるか、どういったコメントをするかで、その審査員の考え方やセンスが皆に知られてしまうからです。

だから、審査することは「恐ろしいこと」だと。

 

審査員も過去に音楽に携わってきた人ばかりですよね。

そのため、聴衆や奏者たちからもある意味で「評価されていて」、下手な評価はできないわけなんです!

奏者たちにとって大切なコンクールであるほど、審査員も緊張して臨むものなんですね・・・!

 

埋まっているものを掘り出すだけ

物語の中で、こんな話が紹介されていました。

 

大昔の日本に、とても立派な彫刻家がいた。

彼は、国宝に残るような作品をいくつも作っていたのにも関わらず、彫るのが非常に速かった。

全く彫るのに迷いがなく、まるで頭に浮かんでいるイメージに「手が追いつかない」と言わんばかりのスピードで掘っていたそう。

 

そんな人の言葉が以下のとおりです。

ある日、彼は聞かれたんだそうだ。いったいどうしてそんなに早く造ることができるのかってね。そうしたら彼は、別に造っているわけじゃない、と答えたそうだ。ただ、木の中に埋まっている仏様を掘り出しているだけだ、と。

(本文引用)

「別につくっているわけじゃない。ただ、埋まっているものを掘り出しただけ」

ヒヨコ
「うお~~!!なるほど!!!」ってなる名言じゃないですか?(笑)

 

何が言いたいかというと、音楽も同じことだと言うのです。

ただ、ピアノを弾くことで自分なりの表現を一生懸命に生み出しているのではない。

そうではなくて、曲に込められた真の想いを「音として表に出す」のが本当の演奏者だと言うことです。

ヒヨコ
音楽というと「自己表現」にばかり目がいきがちですが、曲自体の想いを丁寧に拾うには本当の技術が必要なんですね!

 

まとめ

今回は、恩田陸『蜜蜂と遠雷』を読んだ感想と、「心に残った言葉」について簡単にまとめていきました!

特に心に残った言葉は、改めてまとめているだけでも、再読したくなってきました。

 

ただ、いかんせん、分量がある(笑)

時間のあるうちに、みなさんもぜひ読んでみてほしいです!

必ずや、新しい気付きが得られる本ですよ!

 

この記事のまとめ
  • ピアノは「弾く」と「弾ける」は大違い
  • 審査員も聴衆や演奏者に「評価される」という立場に立っている
  • 真の演奏者は曲に込められた真の想いを掘り出して音に乗せる

『蜜蜂と遠雷』(画像クリックでAmazonのページにジャンプします)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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20代の社会人です!読書、映画鑑賞、車、バイク、数学、IT、旅行情報など興味のある様々なことを発信していきたいと思います!ブログについて全くの初心者ですが、コツコツと良いサイトを作っていきたいです!!よろしくお願いします!