こんにちはネルです!
今回は、【感想・名言まとめ】として、「白い服の男」(星新一)をまとめていきます!
- 盗聴はされるよりする方がツラい立場とも言える
- 「たとえ不正であっても戦争は防ぐべき」という考え方も知っておくべき
- 名言っぽい内容も、冷静に考えると納得できないことも・・・(笑)
それでは、順番にまとめていきます!
盗聴という行為は、されるよりもする方が苦しい
この言葉が出てくる物語の設定としては、「市民の話を全て国が監視する社会」という話です。
話の中で、監視をおこなう人が発言したのが以下の内容です。
「盗聴という行為は、されるよりもする方が遥かに苦しい」
その考えはなかった、というのが率直な感想でした(笑)
たとえば、この話に出てくる人物の中には「妻の浮気を盗聴によって知りながら、素知らぬ顔で生活し続けている」という人がいます。
これも、「監視をしている」という事実がばれないためにも、妻にその浮気のことを問いただすことができません。
よって、「浮気のことを知らないほうがまだましだった」という事態となるわけですね。
「世の中には知らないでいる方が幸せと言えることは沢山ある」という言葉もありますが、まさに監視社会が実現してしまうと、そういった”裏の事実”が全て明らかになってしまい、むしろ居心地の悪い社会となるのではないか、と感じた箇所でもありました。
告白を聞いて、それを他人にもらせない神父と同じ修業なのだ。忘却についての自由を持たない人間という生物にとって、こんな苦痛はない。
「私は最も正しい戦争よりも、最も不正であっても平和のほうを好む」
この言葉は、キケロと言う哲学者の言葉だそうですが、非常に印象に強く残りました。
「私は最も正しい戦争よりも、最も不正であっても平和のほうを好む」
こちらも、先ほどまとめた「監視社会」の中での話に出てきた言葉です。
なぜこの話の世界では「監視社会」が認められているのかと言うと、「戦争の危険を全て排除するため」なんですね。
戦争が起こりそうな会話や、戦争に関する書物などは全て国によってコントロールされることになっています。
そういった個人の自由が脅かされているようなこの世界はとても生きづらいもののように感じますが、実際に監視社会がうまく機能することで戦争の火種すら起こらない状況になっているんです。
そんなストーリーを受けたうえで、「たとえ”不正”であっても、戦争がないほうがましだ」という言葉は胸にぐさっと刺さりました・・・!
現実の世界でも、国民が政府によって自由を制限されている国は存在していますよね。
完全な独裁政治によって戦争の危険が常にあるような状態ならば、それは「悪い監視社会」と言えますが、独裁政治によって平和が約束されているならば、国民は幸せに暮らしていくことができ、「良い監視社会」と言えるのではないか、と感じました!
さわぐなという文句は、さわがないと損をするぞとの意味を含んでいる
これは、個人的に「そうとも言えないのではないか?」と感じた箇所だったので、ピックアップしてみました。
「さわぐなという文句は、さわがないと損をするぞとの意味を含んでいる」
一見、正しそうな名言にように聞こえますが、よく考えるとそうでもない、と言う類の言葉だと感じました。
たとえば、ある工場で火災が発生して大量の従業員が狭い通路から脱出しなけらばならない、という場合を想定します。
このとき、各々が好き勝手走り回っていたら、人同士がぶつかり合うことで通路が無駄に塞がれ、効率的な脱出ができなくなる危険もあります。
こういった場合には、リーダーとなる人が「騒ぐことで本来助かったであろう人も、逃げ遅れる危険があります。少しでも多くの人が早く脱出できるよう、冷静に協力して逃げるようにしてください」と呼びかけ、そこにいる人達をまとめたほうが、「脱出効率」の面でも改善されると考えられます。
こんな時は先ほどの名言「騒がないと損をする」というのは誤りであるように感じました。
言うならば、「誰も何の解決策も浮かんでいない段階では、騒がないと損をすることもある」ぐらいではないでしょうか。
ただ、たしかに「騒がないでください!冷静になってください!」と呼びかける場合の多くは、その呼びかけている人が一番興奮している、なんてこともありますからね・・・。
まとめ
今回は、【感想・名言まとめ】として、「白い服の男」(星新一)をまとめていきました!
特に、「不正であっても、戦争を防ぐ」という言葉はズドンと胸に響きました。
小説として、ストーリーの中でこういった言葉に触れられるも楽しいですよね!
- 盗聴はされるよりする方がツラい立場とも言える
- 「たとえ不正であっても戦争は防ぐべき」という考え方も知っておくべき
- 名言っぽい内容も、冷静に考えると納得できないことも・・・(笑)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!