こんにちはネルです!
今回は、人間の面白い心理学の一つ”おとり効果”の紹介と、それを活かしたメニューによってお店が売上をアップさせる方法を簡単にご説明します。
参考にする本は、ダン・アリエリー『予想通りに不合理』です。
せっかくお店のメニュー作りとして色々な工夫をこらすなら、ぜひ心理学を活用してみてください!
- 飲食店で、売れるメニューについて考えたい
- おとり効果という心理効果について学びたい
- 行動経済学という学問に興味がある
おとり効果とは
おとり効果とは「選択肢Aを選ばせたいときに、あえてAより少しだけ劣る選択肢A’を入れておくことで、選択肢A自体が選ばれやすくなる」というものです!
言葉だけだと分かりづらいので、実験内容を使って解説します。
おとり効果を実証した実験
【3人の顔写真を用意し、どの人が一番好みかを色々な人に選んでもらう実験】
Aさん、Bさん、Cさんの3人の顔写真を用意し、誰が一番好みかを選んでもらう
→これだと、だいたいそれぞれ均等に票が入ることを確認
次に、3人の顔はAさん、Bさんと、Aさんより少しだけパソコンの加工で不細工にしたA’さんにする
→すると、Aさんの顔を選ぶ人が75%ほどまで跳ね上がった
ここに、まさに「おとり効果」が発揮されたというわけです!つまり、
- 最初の実験では、A、B、Cの顔がバラバラだったため、評価基準が曖昧で意見が別れた
- 2番めの実験では、A’よりも明らかに優れているという点で”判断がしやすくなり”Aが選ばれやすくなった
単純だけど、とてもおもしろい実験だと思いませんか?
まさに、2番めのA’という選択肢のように、明らかに劣った”おとり”があることで、人の意思決定が大きく左右されることから「おとり効果」というのです。
人間は優劣がはっきりしていると自信をもって選ぶ
この「おとり効果」からわかったことは、人間は判断基準が複雑なものは自信をもって選ぶことができない、という点です。
逆に言えば、優劣がはっきりしていると判断が容易になり、自信をもって優れた選択肢を選ぶことになります。
これを活かして(ちょっぴり悪用して)、あえて悪い選択肢を混ぜておくことで、本当に選ばせたい選択肢に誘導することが可能になるのです!!
飲食店のメニューでおとり効果を活かすには
それでは最後に、このおとり効果を活かした飲食店メニューを考えてみます。
たとえばラーメン屋で考えていきます!
もともと、単純に、ラーメン900円、餃子300円、ご飯300円、と単品だけをメニューにしていた店があったと仮定します。
この場合、「ラーメン単品」の注文をする客が多いことが想像できますよね。
そこで客単価を上げるために、Aセット(ラーメン・餃子・ご飯)1,200円を売っていきたい、と考えたとします。
ここでおとり効果を活用してみると、以下のような方法が一つとして挙げられます。
- Aセット(ラーメン・餃子・ご飯)1,200円を一番売っていきたい
- メニューに、Bセット(ラーメン・ご飯)1,200円も”おとりとして”入れておく
- すると客は、「Aセットは、実質無料で餃子が食べられる。明らかにAの方が得だ!」という思考になり、Aセットの注文が入りやすい
もともとはラーメン単品しか売れなかった店が、Bセットより明らかにお得なAセットという存在を見ることで、値段の高いAセットを注文する客が増えることが期待できるのです!
まとめ
今回は、『予想通りに不合理』より、「おとり効果の紹介と、それを活かした飲食メニューの定め方」を簡単にまとめていきました。
この本は他にも、人間の心理によって明らかに”不合理な”行動をするという話をとても豊富に解説しています。
中身もきちんとした実験に基づいたものばかりで、とても勉強になりますよ!
人間心理とそれに伴う人間のおかしな行動について、もう少し深く学んでみたいと思った方は、ぜひ手にとって見てください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!