「中国の次は、インドが経済大国になる。」
こういう言葉を聞いたことはありますか?
インドは今ものすごい勢いで成長していて、あと10年ほどでGDPでも日本を抜き、世界3位の経済大国になる、と言われています。
特にインドが強いのが「IT」の分野です。
今の時代、ITの需要が高いことにフィットし、インドは年々経済成長をしているのです。
そこで、今回は、「なぜ、インドはITが強いのか?」5つの理由をまとめていきます。
【目次】
インドがITに強い5つの理由
結論から言うと、以下です。
- 英語が使えるから
- 数字に強いから
- カースト制度を無視できる職業がIT分野だから
- アメリカとの時差が程良いから
- 人口が多いから
順番に解説していきます。
理由①公用語として英語が使えるから
インドの公用語は「ヒンディー語」ですが、順公用語が「英語」となっています。
英語がなぜ順公用語になっているかというと、戦時中にインドはイギリスの植民地になっていたからです。
今でも、インドは英語を使える人が非常に多いと言われています。
プログラミングをするとき大半を英語で書くので、普通に英語を操れるインド人はこの点でまず有利だと言えますね。
また、世界中の人と英語でコミュニケーションが取れる、というのも、日本よりも有利な状況であると言えますよね。
理由②数字に強いから
「インド人は数字に強い。」というのを聞いたことがありますか?
「インド式計算法」とか、「数字の0を発見したのがインド」などと言われるように、インド人は古来から数字が強いと言われることが多いです。
プログラミングの分野においても、数学的な素養は大事になってくるため、この点でも有利なポイントになります。
理由③カースト制度を無視できる職業がITだから
そして、インドがITに強い理由の3つ目が「カースト制度を無視できる職業がITだから」です。
実際に、これが一番大きな理由とも言われています。
インドは、「カースト制度」というものがあり、生まれながらにしてその人の「ランク」が決まっているのです。
(憲法上はカースト制度は廃止されていますが、それでも、実際には慣例的に続いてると言います。)
そして、特徴的なのが、カースト制度のどのランクにいる人が、どんな職業につくのか?ということまで決まってしまっているのです。
たとえば、「お前はこの家で生まれ、このカーストだから、洗濯物屋にならなければいけない。」と言われてしまうようなものです。
ここで、ITだけ、特殊な職業になってきます、
なぜなら、IT関連の職業は最近生まれたものであり、「どこのカーストが、ITを担当するか?」が”決まっていない”のです。
するとどうなるか。
低いカーストの人たちが、死にものぐるいで勉強をして、「IT系の職業について、一発逆転を狙ってやる。」という状態になるのです。
つまり、インド人はIT系の職業に対しての意気込みが、他の国よりも圧倒的に強いのです。
理由④アメリカとの時差が程良いから
また、インドは「立地上の利点」がある、という点も忘れてはいけません。
インドは、経済大国アメリカとの時差が「10時間30分」、つまり、「約半日の時差」があるんですね。
この時差がなぜ、インドのIT発展に影響するのか。
それは、「アメリカが深夜で休んでいる間に、インドが昼勤務として仕事を進めておけるから」です。
たとえば、アメリカでの時間が23:00のときに、世界中で使われているシステムでエラーが起きたとしましょう。
深夜の時間帯でのトラブルになると、アメリカに済む従業員を大勢呼び出すわけでにはいきませんよね。
そこで、時差が半日のインドのエンジニアに、対応作業をお願いするわけです。
アメリカで23:30のとき、インドでは、だいたい10:00ごろ。
一番バリバリ働いている時間ですよね。
更に、IT系の分野は基本的に物理的なものがないため、ネットさえ繋がっていれば、立地的に離れていてもすぐに対応することができます。
こうした条件から、インドはアメリカからITでの発注作業を多く受けられる環境、つまり、ITが発展しやすい環境にいるのです。
理由⑤人口が多いから
最後の理由は、「人口が多いから」です。
インドの人口は、2021年時点で約13億人もいます。
この数は、実に「日本の10倍以上」ですよね。
人口は力であるとよく言われますが、インドでは人口が多い分、優秀な人も生まれやすい、ということを忘れてはいけません。
たとえば、非常に優秀なエンジニアが「1億人に1人の割合」で生まれると仮定します。
すると、日本では1人しか存在しないのに対して、インドでは10人もいることになります。
ITの世界では、非常に優秀なエンジニアが一人いるだけで、非常に大きな経済発展を起こすことができるため、分母が多い国=優秀な人が多い国は、必然的に有利になるわけです。
※実際に、あのGoogleの現CEOは、「サンダー・ピチャイ」とうインド出身の方です。
最後に:モディ首相の名言
最後に、池上彰さんの本から、とても印象に残った文章を紹介します。
モディ首相は2013年にデリー大学で行った演説で、古いインドのイメージを引き合いに出し、「我々は『ヘビ使い』ではない。今や(コンピュータの)『マウス使い』なのだ」と言って学生の喝采を浴びました。
(本文引用:『池上彰の世界の見方 インド~混沌と発展のはざまで~』位置: 1,870)
「我々は蛇使いではなく、マウス使いだ。」と首相自身が言うなんて、しびれますよね!
そのぐらい、インドはITという分野に希望を持ち、力を入れている分野だということです。
まとめ
今回は、インドがITに強い理由をまとめてきました。
- 英語が使えるから
- 数字に強いから
- カースト制度を無視できる職業がIT分野だから
- アメリカとの時差が程良いから
- 人口が多いから
やはり、何よりもインドは人口が非常に多いということが、何よりも大きな力だと思っています。
今はまだ貧しい人も多く、教育が行き渡っていないのが実状だと言います。
しかし、教育制度が整い、インド国民全員が質の高い学びを得られるようになれば、更にとんでもない勢いで発展していくのではないか、と思っています。
↓下記の本は、インドの歴史、隣国との関係性など、多岐にわたって多くのことが学べます。
インドについて興味がある方には最初に手に取る本としておすすめですよ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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