【サンドウィッチマンのコントは、なぜ面白いのか?】本『復活力』より分析してみた!

【なぜサンドイッチマンのコントは面白いのか】『復活力』より

「サンドウィッチマンのコントって、なんであんなに面白いんだ・・・!笑」

私は普段から「お笑い」を見るのが好きで、特に「コント」をよく見るのですが、日頃からこんなことを思っていました。

ヒヨコ
お笑いが好きな人の大半は、サンドウィッチマンは大好きですよね。「コントのクオリティが毎回高い!」と言って、いつも友人と盛り上がります!(笑)

 

そんな中、最近本屋さんでふと、「サンドウィッチマンの2人が書いた本」を見つけました。

それが、下記の『復活力』という本です。

『復活力』(画像クリックでAmazonのページにジャンプします)

「これで、サンドウィッチマンが面白い理由が分かるかもしれない!」

そう期待して、読んでみることにしました。

 

本書は、「芸人として苦しんだ時代から、M1チャンピオンになるまでの出来事を、伊達さん・富澤さんが、それぞれの視点で書いた本」です。

この本を読んだことで、「サンドウィッチマンのコントが面白い理由って、こういうことかも・・・!」という気づきが多くありました。

 

そこで、今回は「サンドウィッチマンのコントはなぜ面白いのか」について、自分なりにまとめていきたいと思います!

 

この記事のまとめ
  • 台本はあるが、ツッコミ部分は「空白」にして自由度を残している
  • 「相方を本番中に笑わせてやろう!」という意気込みで演じている
  • 「お笑い」と「真剣さ」の共存は難しい

 

サンドウィッチマンのコントはなぜ面白いのか?

「なんで、サンドウィッチマンのコントはこんなに面白いのか?」

 

結論から言うと、

「サンドウィッチマン自身が楽しんでコントをしているから。」

本書を読んでいて、これが一番の理由だと感じました。

 

この部分だけを切り取ってみると、「芸人なんだから、当たり前でしょ。」と思うかもしれません。

 

そこで、本書『復活力』より、文章を引用します。

特に印象に残った箇所です。

(伊達) ツッコミの部分は、富澤は基本的に空白にしてくれる。僕はそこに勝手にツッコミの言葉をあてはめていくんだけど、ネタの直前まで、何を言うかは富澤に教えない。あいつをプッと笑わせたいからだ。

(Kindle位置:1,021)

 

ツッコミの伊達さんはなんと、

「相方の富澤さんを、本番中に”プッと”笑わせたい!!」

そう思って、本番に臨んいるというのです。

 

お客さんではなく「相方を」笑わせようとしている。

この点が、とてもユニークで衝撃的な話でした。

 

ネタは基本、ボケの富澤さんが考えるが・・・

サンドウィッチマンのネタは基本的に、ボケ担当の富澤さんが考えています

 

多くのコンビ芸人は、ネタは2人で考えると言うよりは、「得意な方が1人で考えている」ことが多い。

こういった話を、テレビでよく聞ききます。

 

ここまでは、サンドウィッチマンが特別な方法を取っているということではないんですね。

 

・・・ただし、すごく特徴的だったのが、ネタの台本には以下のような「ある仕組み」があったことです。

「コントの台本のうち、ツッコミ部分は”空白に”しておく」

 

空白だからこそ、ツッコミの伊達さんは”自由に”ツッコミを入れることができるわけなんです。

実際に、伊達さんは、”本番で”いきなり新しいツッコミをする、というスタイルを取っているそうです。

ヒヨコ
場合によっては、大滑りするリスクはありますが・・・(笑)それは、台本を事前に作り込んでいても、同じリスクですからね!

 

本人が心から笑っているから、見てる方にも笑いが起きる

私自身、サンドウィッチマンのコントはめちゃくちゃ大好きです。

「なんだか、今日は笑いたいな~。」って時は、サンドウィッチマンのコントを再生することが頻繁にあります。

 

そんな中、一ファンとして以前から感じていたのは、「この2人は、コント中も本人たちが”素で笑いながら”、楽しんでやっている感じがあるよなー。」ということ。

受け手がこう感じる理由が、まさに、台本にはない「ツッコミのアドリブ」から生まれる、「相方を本番中に笑わせてやろう」という姿勢なんだと思います!

 

(伊達) 「ネタが飛んじゃうから、やめてくれ」っていつも言うんだけど、やめない。言ったら、つまんないから。あいつが舞台で笑うのが、こっちも楽しいし、追い込まれる顔を見るのが好きだ

(Kindle位置:2,189)

 

伊達さんは、

  • 「相方が、舞台で笑ってくれるのが楽しい。」
  • 「不意打ちで、本番中に相方を追い込んで楽しみたい。」

こんなことを思いながらネタをやっている、ということです。

 

このように、ゲーム感覚でネタを楽しんでいることこそが、サンドウィッチマンの面白さのポイントなんだろうな、と強く感じました。

 

「笑い」と「真剣さ」は、共存が難しい

また、興味深かったこととして、本書では「M1グランプリ」についての話が紹介されていました。

 

「漫才の頂点」を決める、M1グランプリ。

あの番組は、見ている分にはとても面白いんですが、出場する芸人達からすると、「現場の空気は最悪」だと言うんです。

なぜでしょうか・・・?

 

それは、芸人達の気持ちになってみればわかります。

みんな、「今回のM1グランプリで絶対に優勝して、人生大逆転をしてやるんだ・・・!!」と、本気度120%で臨んでいるわけです。

 

真剣だからこそ、他の人に気遣う余裕もなく、空気がピリピリしてしまう。

これはもちろん当たり前のことだと思います。

 

スポーツでも、試合直前でヘラヘラしている人なんて、見たことがないですよね。

 

同じような「真剣だからこその重苦しい雰囲気」は、M1の世界でも非常に強いということです。

特に、「決勝戦の控室」では空気がピリピリしすぎて、その場にいるだけでとんでもなくストレスがかかるほどだそうですよ・・・!

ヒヨコ
みんな、目がギラついているんだそうです・・・

 

サンドウィッチマンが「M1の控室」に入った時の話

サンドウィッチマンの2人が優勝したM1グランプリ(2007年大会)の時、彼らは「敗者復活戦を勝ち上がって本会場まで戻る」という流れでした。

 

そのため、”遅れて”M1決勝戦の「控室」に入ることになったんですね。

 

そうして遅れたたどり着いた控室には、知り合いの芸人も沢山いたそうです。

今から戦うライバルとは言え、「敗者復活おめでとう。お互い頑張ろうな!」なんて声かけがあっても良さそうなものですが、、。

 

実際には、仲の良かった芸人1組を除き、”ちらりとも”サンドウィッチマンに視線をよこさなかったそうです・・・。

ヒヨコ
それぐらい、みんな真剣で、他者を気遣う余裕がないんですね・・・。

 

ただし・・・、本書をここまで読んできて、何でもない素人である私はふと思いました。

お笑いにおいては、「真剣すぎる態度」はマイナスの効果を生むんじゃないか?と、、。

 

「自分たちが楽しくないのに、見ている方は楽しいのか?」という問題

お笑いって、見ている観客たちからすると、「笑いたいから」見ているんですよね。

 

でも、こちらは笑いたくて見ているのに、コントを演じる芸人さんたちが、「心にまったく余裕がない状態」だったら、どうなのでしょうか・・・?

「真剣さが伝ってくる。」とか、「頑張ってくれ!!」とか、まるでスポーツを応援しているような気持ちになってしまうと思うんですね。

 

  • 「どんな世界にも競争がある。」
  • 「誰よりも真剣にやったやつが一番強いんだ。」

こういう言葉もありますが、”真剣”ということと、”余裕がない”ということは「同じではない」と思うんです

ヒヨコ
私は芸人ではない、ただの一般人ですが、、。ここまで本書を読んで、そんな気づきがありました。

 

やっぱり「お笑い」である以上、心に余裕がないと人を笑わすことはできないのではないか・・・?

それを証明するかのように、サンドウィッチマンの2人は、「どの芸人よりも真にお笑いを”楽しんでいた”」という事実があります。

だからこそ、本番中に心の余裕も生まれ、見ている方も純粋に楽しむことができるんだと思いました。

 

まとめ

「お笑い芸人が書いた本」を読んだのは、私自身、今回が初めてでした。

 

さすがサンドウィッチマンの2人が出した本だけあって、至るところで笑わせてくれて最高の本でした(笑)

本書は、伊達さんと富沢さんの2人の視点が交互に書かれているのが特徴の本です。

 

すると、同じ出来事に対して、「片方はこう思っていたけど、もう片方は実はまったく逆のことを思っていた。」なんて記述が沢山ありました。

そういった「すれ違い」が起こっている様子を客観的に見れているようで、非常に面白かったです(笑)

 

「サンドウィッチマンのファン」なら、間違いなく最後まで楽しめる本ですよ!

サンドウィッチマン『復活力』 (画像クリックでAmazonのページにジャンプします)

この記事のまとめ
  • 台本はあるが、ツッコミ部分は「空白」にして自由度を残している
  • 「相方を本番中に笑わせてやろう!」という意気込みで演じている
  • 「お笑い」と「真剣さ」の共存は難しい

 

この本を読むと、それ以降2人のネタを見るときに、

「この2人は今、こう思いながらネタをやっているんだろうな~!」

という新しい見方ができるようになり、ネタを見る幅が広がりました。

 

お笑いが好きな方は、ぜひ本書を読んでみてほしいです!

本記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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