「俺の部下は指示待ち人間ばかりで困っている。」
こんな悩みを抱いている上司の方々は多いと思います。
部下が自発的に動くためにはどうすればよいのか。
『自分の頭で考えて動く部下の育て方』を読んでみました。
この本の内容を参考にしながら、「指示待ち人間を減らすコツ」をまとめていきます!
- 「部下をもったばかりなので、適切な指導方法を学んでおきたい」
- 「指示待ち人間ばかりの環境を変えたい」
- 「部下から避けられているため、状況を変えたい」
それではポイントを絞ってまとめていきます!
【目次】
指示待ち人間を減らすコツ
まずは、「指示待ち人間を減らすコツ」を解説していきます!
部下が指示待ち人間になるのは上司の責任と心得る
「自分の部下は指示待ち人間ばかりだ!」という方は多いのではないでしょうか。
実は、そういった人の場合、その部下のほとんどが指示待ち人間になっている、ということがよくあるそうなんでです!
つまり、「部下が指示待ち人間になっているのは運が悪いわけではなく、上司である自分がそういった環境を作ってしまっている」ということを、まずは自覚すべきということなんです。
こういった上司には特に、以下のような方法で部下と接するべきだと記されていました。
指示を出すのではなく意見を求める
部下から「〇〇についてどのように対処すべきですか?」と聞かれた場合には必ず、以下のように答えるべきだそうです。
「Aくんはどうしたら良いと思いますか?」
また、「実は自分でもどうしたら良いかはっきりとわからないんだよね。何か良い意見はある?」と、部下が意見を出しやすいように誘導してあげることが大切だと言います。
部下が意見を出してくれた場合の返答
そして、意見を出してくれたら否定は絶対にせず、次のように返答します。
- 【良い意見の場合】
→「確かに!その視点はなかった」「今の意見で気づいたんだけど、△△という点にも注意が必要だね」 - 【的はずれな意見の場合】
→「なるほど。ただ今回は△△という点を優先したいと思っているんだよね。その場合に何か良い意見はある?」
いずれにしても、部下は自分は否定された気分にはなりませんよね!
このやり取りを繰り返していくうちに、部下は自分で考える癖がつき、積極的に意見が出やすくなると言います!
最終的には部下が自発的に動くようになる
こういうやり取りを繰り返しているうち、私が何を考え、何を希望しているのかを、スタッフや学生は想像できるようになってくるらしい。
(本文引用)
ここまでで、「部下に意見を出してもらって、それを上司である自分が修正していく」という方法をご紹介しました。
そしてこの方法をもっと上手に続けていくと、「部下が上司の考えや希望を想像できるようになってくる」と言います!
つまり、指示を出していないことにも、「〇〇という件に対しては、△△という対処をしておきました。それで問題はなかったでしょうか?」と自発的に動いてくれることが多くなるそうです!
もしも部下の判断が誤っていたら
それでも、たまに自分の考えとはズレた処理がされる場合があるかもしれません。
そういった場合でも、「私の責任ですので、気にしないでください。ただ、次からは□□のように処理してくれますか?」と、考えのズレを微調整していくことが肝心だそうですよ!
- 部下に指示を求められたら、「あなたはどう思いますか?」と意見を聞く
- その意見を否定することなく、さり気なく「補足」をしてあげる
- これを繰り返すことで、「自発的に」動いてくれるようになる
- その自発的な行動も「修正」してあげる
こういった工夫によって、著者の部下達は、自分が言わなくても適切に行動してくれるようになったと言います。
部下の気持ちを知ることで指示待ち人間は防げる
それでは次に「部下の気持ち」について考えていきます!
自分で考えて取り組んだことが叱られるから、部下は自発性を失う
でも多分、「指示待ち人間」は自分の頭で考えられないのではない。自分の頭で考えて行動したことが、上司の気に入らない結果になって叱られることがあんまり多いものだから、全部指示してもらうことに決めただけなのだ。
そもそも、「指示待ち人間」は自分で考えられないのではなく、「叱られる恐怖のせいで全部指示をもらおうとしている」ことを意識すべきなんです!
もし、自分の判断で行ってきたことの多くが上司の考えに反していて、その度に叱られてきたとします。
すると、部下は「自分で考えて動くと叱られるな・・・」という発想になりますよね。
最後には、「上司の言う通りに動いていれば叱られることもない」という思考回路になってしまいます。
指示とは本来、「曖昧にならざるを得ない」もの
ここで、著者は大切なポイントを述べていました。
「指示とは本来、曖昧にならざるを得ない」
本文で述べられていた例を挙げますね。
例えば「机の上拭いといて」と指示を出したとしても、どの布巾で拭くべきか、布巾がそもそもどこにあるのか、ということすらあいまいなことが多い。
このように、「机の上を拭く」という簡単な行為でさえも、曖昧な事柄が非常に多いのです。
すべての事柄に対して指示を出そうにも、手段・方法は何通りもあり、完璧に指示を出すことは不可能だと言えます。
例)誤って新品の布巾で机を拭いてしまった場合
ここで、部下が自分の判断で机を拭いた際、古い布巾があったにも関わらず、新品の布巾で机を拭いてしまったとします。
このときに、上司の反応はどちらがより良いと言えるでしょうか。
- A:「なんで新品で拭くんだよ。ちょっと探せば古いものがここにあることがわかるだろ!」
- B:「綺麗にしてくれてありがとう。あ、新品を使ったのか。いや、全然問題ないですよ。布巾がどこにあるか伝えてなかったので。今度からここのものを使ってくれれば良いです。」
「A」よりも「B」の方が、自発的に動く部下が育つことは簡単に想像できますよね!
部下の失敗を許容するゆとり
部下が待ち人間ではなく自発的に動けるような人にするためには、「部下の失敗を許してあげる、上司の心のゆとり」が大切だということなんですね。
初めてやること、知らないことは、最初は誰でも失敗はするもの。
その失敗を最初から叱ってばかりいたら、部下は自分で考えて動くというリスクを恐れるようになってしまいます。
- 「勝手に動いたら叱られる」という経験をさせない、自発的な行動は褒める
- 「指示とは曖昧にならざるを得ないもの」と心得る
- 部下の失敗を常に許してあげる「心のゆとり」を持って接する
上司は部下の気持ちを汲み取ることが大切なんですね!
まとめ
今回は、「自分の頭で考えて動く部下の育て方」より、上司の立場から「指示待ち人間」を減らすための指導法をまとめてみました!
ここで取り上げた箇所はこの本の前半部分がメインでした。
こういった書籍にしては比較的ボリュームのある本だったのですが、メインの話は前半に固まっていたので、時間の無い方は前半だけ読んでみても内容がつかめると思いますよ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!