こんにちはネルです!
今回は、橋下徹『実行力』の感想と、特に重要だと感じた箇所をまとめていきます!
この本を買おうか迷っている人も、すでに読んで復習したい人も、ぜひざっと確認してみてください!
- 橋本さんの知事・市長の経験をもとに書かれた「組織マネジメント」の本
- 組織には”あえて”反対派を身近におくべき
- リーダーの役割は「誰もが決められない案件」を「決める」こと
それでは、順番にポイントをまとめていきます!
【目次】
『実行力』を読んだ感想
まず、橋下徹さんの『実行力』を読んだ感想を簡単に。
難しい本かと思い身構えて読んだのですが、想像以上に優しい文章で、政治のことに詳しくなくても読み進めていけるように書かれていました!
恥ずかしながら私は政治のことは詳しくないのですが、ところどころに政界の常識などが解説されていて、つっかえる部分はほとんどなかったですよ!
そして、橋本さんの政治経験をもとに、「組織のマネジメント」について抽象化してまとめられていたので、「政治」のことと、「組織マネジメント」のことの両方が学べるような本でした!
タイトルが似ているホリエモンの『多動力』などの自己啓発系の本よりも具体的なことが書かれており、読了までに3時間ほどはかかりましたので、「サクッと読みたい」という方には向いていない本です。
まとめると、「政治のことに少しでも関心があり、かつ組織のマネジメントについて考えたい」という方にはもってこいの本ですよ!
それでは、以下から個人的に重要だと思った箇所をピックアップしていきます!
組織内で猛反対を受ける案は、反対派に意見を述べさせる機会をつくる
「組織内で猛反対を受ける案は、反対派に意見を述べさせる機会をつくる」
「そして、『この人が反対したにも関わらず、決まってしまったならば仕方がない』と感じてもらい、最後は決まったことに従ってもらう」
これは、橋本さんが大阪府庁に「職員基本条例」を取り入れたときの話です。
この「職員基本条例」とは平たく言えば、「公務員の人事による評価を厳しくし、最低評価を2年連続とったらクビにする」という条例です。
もちろん、この案には反対する人がとても大勢いました。
このとき、橋本さんは大阪府知事であるにも関わらず、大阪府庁の反対派の職員達を好きに行動させ、メディアにもどんどん反対意見を述べさせたのです。
その理由が、先ほどの「反対派をあえて身近におく」というマネジメントです。
僕が言いたいのは、組織内で猛反発を受ける案については、反対派に徹底的に意見を述べさせる機会を与えるマネジメントをすべきということです。そういう意味で、組織を代弁する反対派をそばに置いておく必要があります。「この人が反対していたにもかかわらず、決まってしまったならば仕方がない」と、組織のメンバーがある意味「諦めてしまう」反対派を、です。そして最後は、決まったことには従ってもらう。ここまでやっても従ってくれなかったら、いよいよ人事で交代です。
引用:『実行力』
反対派を正々堂々と倒してこそ、メンバーは組織の方針に従う
この方法は、反対派に思いっきり意見を言わせ正面から戦うことが大きなポイントです。
正々堂々と議論を戦わせ結果的にこちらの意見が通ったならば、最初は反対派だった人達も、大人の対応としてきちんとトップの言うことに従うようになるはずです。
ここで、もし議論して負けたにも関わらず、組織の方針に従う態度を全く見せないならば、組織をやめてもらう、という強い態度を示しています。
組織内のトップは権力があるため、「自分に従わないものはクビにする」とする人も沢山いると思います。
しかし、そんな無理やり自分の意見を一方的に通していても、メンバーはいやいや取り掛かることになり、その方針自体も失敗に終わるでしょう。
そう考えても、この「反対派と徹底的に議論をする」というマネジメント方法はとても優れたものだな、と強く感じました!
リーダーは「割り箸役」
橋本さんは知事をやっていた際、「自分の役割は”割り箸”だ」と、割り切っていたと言います。
この割り箸役とは、どういうことでしょうか。
それは、「割り箸を机の上に立て、右か左か倒れた方に決める」という時の割り箸役を指しています。
「割り箸を倒して決める?」と不思議に思うかもしれませんが、事の本質はそこにあります。その道のプロたち何百人が、ああでもない、こうでもないと散々議論しても決めることができないような案件は、「どちらを選択するべきか分からない」、裏を返せば「どちらを選択しても仕方がない」という議論の煮詰まった案件です。こんな案件について一個人が「絶対的に正しい」判断などできるわけがありません。
つまり、「散々議論したうえで結論が全くでない案件は、言い換えれば、どちらを採用しても同じくらいの良さがある」ということなんです。
そのため、リーダーが求められる役割は、「絶対的に正しい」判断をすることではなく、「俺が責任を取るから、こっちの案にしよう」と、「決める」ことなんです!
リーダーだからといって「完璧な判断」ができるわけではない
「リーダーなんだから、常に完璧な判断をすべき」と考えていては、トップは重圧と膨大な仕事量で押しつぶされてしまう。
しかし、逆の立場で考えてみてください。
散々議論した末に答えが出ない事柄において、組織がリーダーに求める役割は、「決めてもらう」ことであり、「カタチ」「体裁」が必要なだけですよね。
「リーダーは絶対的に正しい決定をするよりも、誰もが決められない問題について『決める』ということが役割」
橋本さんはこのようなリーダー論を持って、組織のトップとして働いていたわけなんです!
まとめ
今回は、橋下徹『実行力』の感想と、特に重要だと感じた箇所をまとめていきました!
やはり、大阪のトップとしてグイグイと政界を引っ張ってきた人だからこそ、組織のマネジメントについてはしっかりとした持論があり、説得力もあると感じました!
- 橋本さんの知事・市長の経験をもとに書かれた「組織マネジメント」の本
- 組織には”あえて”反対派を身近におくべき
- リーダーの役割は「誰もが決められない案件」を「決める」こと
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!