先日、以下の本を読みました。
豊田 正義『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―』です。
あるYouTube動画で、「読まない方が良い本」として紹介されていたものでした。
・・・そんなこと言われたら、気になってしまう。
読書ブログを運営している者として、放ってはおけない。
ということで、早速Kindleで買って読んだので、感想をまとめていきます。
【目次】
『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―』とは?
この本は、2002年に福岡県の北九州市で発覚した監禁・連続殺人事件の全貌を描いた、”ノンフィクション”です。
もう10年以上前の事件なので、若い方は詳しくは知らないのではないでしょうか・・・。
アパートの1室で7人もの男女が監禁され、殺されてしまう、という極悪な事件・・・。
何よりも恐ろしかったのは、主犯者の「メンタルコントロール術」でした。
メンタルコントロールのやり方があまりにも酷い
主犯者は、まず標的の弱みを握り、徐々に暴力を加えていきます。
さらに睡眠を削るなどして思考能力を奪い、自分に逆らおうとする気力さえ削ぐほど、マインドコントロールをしていくんです。
それが、子供からお年寄りまで次々に繰り返されていきます・・・。
その「人を壊していく過程」が、驚くほど細かに描写されている。それが、この本の凄さです・・・。
本という意味で、”ただの文字”であるにも関わらず、思わず目をそむけたくなるようなリアルな描写ばかりでした。
本文から一部引用
どういった話なのか、抽象的な感想ばかりでは伝わらないと思うので、一部だけ、本文から引用してみます。
電気ショックの恐怖に 脅える従業員達は競い合って松永の歓心を買うようになる。松永はその心理を利用し、お互いに密告させたり、自分の目前で 罵り合いをさせたりして、従業員達が結束して抵抗してこないように仕向けた。しまいには従業員同士で通電しあう光景が常態化した。
『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―』(位置:1,333)
「松永」とは、この事件の主犯です。
またここで言う「電気ショック」とは、その松永が編み出した拷問の方法で、「特別な器具により、強い電気を相手に与える」ことを指します。
これだけ聞いても、本当にゾッとする話・・・。
しかも被害者達は自己保身のため、互いに電気ショックをし合っていたというんですね。
なんともやるせないですが、犯人は頭がキレる人なんです・・・。
だからこそ、人の心理を巧みに利用し、自分の思うがままにコントロールしてきたと言います。
怖いのは、これが”ノンフィクション”であるということ
拷問の様子が淡々と文字で描かれているこの本は、読んでいて逆に現実味がありませんでした。
それぐらい、ひどいことが為されていたんです。
しかし、これは紛れもなく事実。
そのへんの人気ホラー小説を読んだときよりも、何倍も精神的にダメージを負うほど、ひどい話です・・・。
メンタルに自信のない人は、読まない方がよい、強くそう思える本でした。
一方で、こういった残虐な事件が実際に起こっている。そして、最悪の場合自分もそういった場面に直面するかもしれないという意味で、この本の知識を入れておくこともおすすめしたいです。
リアルな世界の友人には勧められない
ぼくがこれまで読んできた、1,000冊以上のほんの中で、間違いなくこの本が一番衝撃的でした・・・。
あまりにも中身が残酷すぎて、読んでいて途中でやめようと思ったほどです。
そんな本だからこそ、リアルな世界の友人には冗談でも勧められない・・・。
読書ブログだからこそ、今回のように、こうやって記事に書いているのです。
実際の友人に、「この本は読んでみるべき。」なんて勧めたら、ぼくの人格が疑われそうなほどです。
しかし、もう1度言いますが、それでもこの本は事実として読むべき本でもあると思います。
メンタル的にある程度の自信のある方は、この本を読み、現実にはこういった残虐な事件が起こり得るということを知識として持っておいて欲しいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!