【名言・感想まとめ】伊坂幸太郎『AX アックス』

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先日、伊坂幸太郎さん著『AX』を読みました。

もうね、、自分の最も好きな作家として、予想どおりの最高の面白さでした!

面白すぎて、ついつい”プチ夜ふかし”しながら、どんどん読み進めていけました。

ヒヨコ
さすがです、伊坂幸太郎先生!という感じで楽しめました(笑)

 

『AX アックス』(画像クリックでAmazonのページにジャンプします)

ということで折角なので、既にAXを読んで復習したい人、または、まだ読んでない人へのおすすめの意味も含め、本書の「名言」についてまとめていきます!

ヒヨコ
ネタバレになるようなことは書かないので、安心してくださいね。

 

この記事のまとめ
  1. 奥さんには、「へりくだり過ぎても」「高圧的でも」NG
  2. 会話の中では、「大変ですね。」という魔法のワードを活用する
  3. 自分が「管理できる範囲」は把握しておく

 

『AX アックス』感想

本書『AX』は、殺し屋シリーズ第3段という位置づけです。

 

これまで、伊坂幸太郎さんは、『グラスホッパー』『マリアビートル』という、殺し屋が出てくるシリーズを2作公開していました。

今回の『AX』は、その殺し屋シリーズの第3段ということですね。

 

「殺し屋」というと、「かなり残虐な小説か?」と身構えてしまうかもしれませんが、、。

そこはいつもの著者の作品らしく、人を傷つける箇所はほとんど描写はなく、むしろその殺し屋をとりまく人間関係であったり、絶妙な言葉の掛け合い、というのが盛り込まれた話です。

 

今回も、やはり「人間味のある殺し屋の主人公」が描かれていますが、特徴的なのが、主人公が ”恐妻家”という点です。

 

本の冒頭から、主人公が妻を恐れいている様子が、至るところに描かれています。

ヒヨコ
殺し屋なのに・・・!と、頭の中で突っ込んでしまいますね笑

特に男性が読んだら、いくらか主人公の気持ちに共感できるのではないでしょうか・・・笑

 

そういったこともあり、本書の登場人物の発言も、奥さんや子供に関するものが多いです!

ここからは名言をまとめていくので、ぜひ楽しんで読んでみてください!

 

特に心に残った「名言」まとめ

それでは、本書『AX アックス』の名言をまとめていきます!

 

ピンチの時には、「相手への感謝を”へりくだることなく”伝える」べし

まずは、「父親である自分が、子供の状況をきちんと知らない」という事実に、奥さんに気づかれた時に使えるテクニックです(笑)

平均的に見ても、父親は母親と比べても、子供の細かい状況には関心が薄い、ということは納得できるのではないでしょうか・・・。

 

ここでは、主人公がふと、

「克己(注:息子のこと)の学校は、給食だったかな?」

と聞いた際のこと。

 

奥さんから、

「あなたは、息子のことを何も知らない。もっと注意を払うべきよ!」

と言われてしまった時の話です。

 

主人公の切り返し術を見てみましょう・・・!(笑)

「自分では、それなりに息子のことに気を配っているつもりだけれど、君に指摘されてみると、全然足りていないんだな、と痛感するよ。君のおかげで、また成長できた」と相手への感謝を、あまりへりくだることなく、伝えるのも重要なポイントと言えた。

(Kindle位置:254)

 

つまり、こういうピンチでは、あくまで媚びる態度は取らず、

  1. 自分はきちんとやろとしていた
  2. しかし、”まだ”努力が足りなかった
  3. 「気づくことができた、ありがとう」と冷静に伝える

この3点を伝えるべき、だと言うんですね。

ヒヨコ
このときの主人公の姿を想像すると。。笑

 

ただ、「ごめんね。」と謝るだけとか、「なんだ!俺だって・・・!!」とキレてしまうとかではなくて、「努力はしていたけど、確かに不足だった。ありがとう」と伝えるんですね。

ぜひ覚えておきたい名言でした、、笑

 

「浮気なんてありえない」という態度を取る

続いても、主人公と奥さんの会話のシーン。

会話中に、「学校の男性教師が浮気しているかもしれない」という話題になったときの話です。

 

こういう話題になった時、「旦那としての反応として正しいもの」は一体どんなものでしょうか。

主人公が導き出した「最適解」を見てみます。

 

「山田先生って既婚者だよ」  兜(注:主人公)はそこで大きく息を吐き出し、信じられないよな、と言わんばかりに頭を左右に振る。「まさか、既婚者がよその女性と仲良くするなんてな。そんなものは、都市伝説のようなものだと思っていたよ」

(Kindle位置:325)

ここまで来ると、もはやコントみたいですね(笑)

 

重要なのは、こんなシーンで決して、「男なんて、浮気するもんだよな~。」なんて態度を取らないことです。

 

あくまで、自分は浮気なんて考えたことがない。

そして、「浮気なんて、都市伝説だと思っていたよ!!」と驚いてみせる。

これこそが、真の恐妻家が身につけた、奥さんとうまくやっていくコツだということですね(笑)

 

世の中の人間は、みな大変

ちょっとした世間話なら、上手に切り抜けられる「魔法の言葉」って知っていますか?

それは、「大変ですね。」です(笑)

 

「今日はこれから夜の警備に入るんです」と奈野村(注:主人公の友人)は言う。 「大変ですね」兜は 相槌 を打つ。 何が大変なのかは関係がない。世の中の人間はどのような者も大変なのだから、どのような状況であろうとそれを 労っておけば問題がない。兜はそのことを、妻との生活から学んだ。

(Kindle位置:1,754)

 

何が大変かは関係がない、その理由を知らなくても、「大変ですね。」と言っておく。

人は、誰しも”大変”だから、相手をねぎらっておけばうまくいく、というわけですね(笑)

ヒヨコ
ある本に、この手法は特に「女性に対して有効」だと読んだことがあります・・・。

 

相手の発言に、いちいち噛み付いたり、「自分の方がもっと大変だ」と、つまならい勝負に出る人は意外と多いものです。

こういった態度を取ってしまうぐらいなら、「大変だね。」と相手のことを気遣えている方が、いくぶんか良い選択肢なのかもしれませんね(笑)

 

自分の目に見えるものだけに対処しろ

最後は、「マンションの管理人」がふと語った言葉の紹介です。

管理人らしく、「管理」についての独自の考えを披露しくれています。

 

「管理なんてのはな、限界があるんだよ。全部なんて、チェックできやしないし、こっちの神経がもたない。自分に見えてる部分でさえ、いっぱいいっぱいなのに、見えない部分まで気にしはじめたら、とてもじゃないが」と管理人は、管理人道というものがあるかのように語る。

(Kindle位置:3,467)

 

管理なんて、そもそも限界がある。

だからこそ、「自分の目に見える部分」にだけ、手をうっておくのが一番の得策。

これは一見、”てきとう”な生き方に見えてしまいますが、実際には「処世術」としてとても良い教えではないでしょうか。

 

世の中を見渡しても、多くの人が悩んでいることって、「漠然とした将来の不安」とかでしょう。

つまり、具体化していない抽象的・曖昧な悩みを抱えているわけです。

ヒヨコ
悩みが具体的だったら、対処も打ちやすいですからね・・・

 

だからこそ、そういった不安で悩みこむのではなく、

「目に見えない悩みなら、とりあえず放ってしまえ。」

そういった態度で、毅然として生きていくべし、ということですね。

 

サブキャラである管理人が語る”管理人道”に、グッと心を打たれました!

 

まとめ

今回は、伊坂幸太郎『AX アックス』の感想・名言をまとめてきました!

やはり、伊坂幸太郎さんは「名言を生み出す天才」だと心から感じています。

 

今回紹介した他にも、印象に残る名言は数多くありました。

名言を拾い上げるのもこの小説の楽しみの1つになると思います。

未読の方はぜひ、手にとって見てください!

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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