日本に必要なのは、リーダーより”セカンドペンギン”の育成『世界観をつくる』より

日本はリーダーより、セカンドペンギンの育成を!『世界観をつくる』より_アイキャッチ画像

「セカンドペンギン」

あなたは、この言葉を聞いたことがありますか?

 

ここでは、動物のペンギンのことを指すのではなく、「リーダーシップ」を語るときに使われる言葉です。

最近のビジネス書では頻繁に見かけるようになりました。

 

このなんとも可愛らしい名称の「セカンドペンギン」とは、一体どういうものか。

チームの中で、最初に誰かが「〇〇をやってみよう!」と言い出した後に、「いいね!俺も賛成だよ!」と手を上げる人のことです。

 

つまり、

  • 最初に手を上げた人:「リーダー」として、
  • 初めて賛成意見を表明する人:「セカンドペンギン」ということです。
ヒヨコ
つまり、リーダーに対して、フォロワーという立場の人ですね。

 

このセカンドペンギンが、特に日本では強く求められている。

そんな話を今回は、水野学・山口周『世界観をつくる』で見かけ、色々と考えさせられました。

『世界観をつくる』

 

そこで、自分なりに内容をまとめて、整理してみます!

日本に足りないのはリーダーではない

  • 「日本からは、いつもクリエイティブな発想が生まれない。」
  • 「周りを引きつけるリーダーシップのある人材が必要だ。」

こんな言葉、あらゆるところで耳にしますよね。

ヒヨコ
今、ほとんどの会社で「リーダーシップのある人材が欲しいんじゃ・・・」と言っているんじゃないでしょうか(笑)

 

たしかにリーダーシップのある人がいれば、組織をぐいぐい引っ張ってくれる。

欧米人のように自己主張が強くはない日本人は、周りをリードする人材が少ないと言われます。

しかし著者らはこういった世間の意見に対し、「リーダーシップよりも実は『セカンドペンギン』の方が重要だよ」と、語ります。

 

「セカンドペンギンがいて初めてリーダーが生まれる」、と言うんですね。

 

これは一体どういうことでしょうか・・?

この考え方がとても面白いんです!

 

セカンドペンギンがいないとリーダーは・・・

ここで改めて「セカンドペンギン」について振り返ります。

 

セカンドペンギンとは、「誰かが言いだした案に対して、”最初に賛成意見を述べる人”のこと」です。

最初に意見を考えついた人を「ファーストペンギン」として、その人に続いて意見を言うため「セカンドペンギン」という言葉が割り当てられているんですね。

 

それでは、ここで考えてみてください。

もし、チーム内に「セカンドペンギン」がいなかったら、リーダーの意見はどうなるでしょうか

 

つまり、誰かが一番に自分の思いを主張しても、周りが無反応で「しーん・・・。」としていたら、どうなるか、とうことです。

・・・そう、「ただ、変なこと言ったイタい奴」という雰囲気が流れて、その場が終わるんですね(笑)

ヒヨコ
「うわ、、あいつしくじってるよ」みたいな悲しい状況です。想像すると悲しい・・・(笑)

 

この真逆の状況を考えてみてください。

最初にリーダーが言い出した案に対し、「俺もそれに賛成だ。協力するよ!」と言い出す人が”たった1人でも”いたら、リーダーにとって非常に心強い。安心するわけです

そして、リーダーの意見への賛同者が一人でも現れれば、そこから流れはどんどん変わったりするものです。

賛成を表明する人が、3人目、4人目、・・・と続いていくことになるんですね。

 

だからこそ、最初に意見を述べるリーダーに対し、それに続くセカンドペンギンの存在が実は鍵になる、ということなんですね。

 

なぜ、”ペンギン”と言うのか

ここで、なぜ「セカンド”ペンギン”」と、動物のペンギンが言葉に入っているのでしょうか。

その理由あは、ペンギンの習性から来ています

 

ペンギンは氷の上で群れとして過ごします。

群がっているペンギン達の姿は、動物園やドキュメンタリー番組でおなじみですよね。

そして、餌を取るときには、氷の上から海の中に飛び込んで魚をとる、という生活をしています。

 

ここで忘れてはいけないのは、餌を取りに海に飛び込むことはもちろん、大きなリスクがあります。

ペンギンの天敵である「オットセイ」などが、飛び降りてくるペンギンを待ち構えている危険があるんですね。

 

そんな場所に飛び込んでしまったら、命を落としてしまうことになるんです。

・・・つまり、ペンギンだって餌を取りに行くのには、まさに「命がけ」ということなんですね。

 

最初に、勇気あるペンギンが海に飛び込む

では、ここまでの話から、想像してみてください。

もし、ここで、群れが一斉に海に飛び込んだ場合どうなるか。

運が悪いと、群れの大半が天敵に食べられてしまいますよね。

ヒヨコ
これでは、「種の繁栄」として、一番避けなければいけないわけです。

 

それでは、一体どうするのか。

ここまでの話からわかるように、「最初に勇気ある一匹が、試しに海の中に飛び込んでいく」のです。

実際にペンギンはそういう習性を持っていると言います。

 

そして、海の中が無事だとわかったら、ようやく他のペンギンたちも次々に海に飛び込んでいくんですね。

ヒヨコ
ペンギンはこのような習性を持ったからこそ、ここまで種として生き延びてこれたんですね。

 

・・・と、このように、最初に飛び込む勇気あるペンギンのことを「ファーストペンギン」と呼びます。

この言葉は、「斬新な意見・アイデアを、勇気をもって発信する人」として頻繁に使われ、そういった人材が強く求められていました。

 

「ファーストペンギン」になるか「アローンペンギン」になるかの違い

しかし、もちろんファーストペンギンが、海の中にいた天敵に食べられてしまう可能性もあるわけです。

そういう場合には、周りのペンギンからしたら、「ひええ、、。あのペンギン、オットセイに食われちゃった・・・。」となりますよね。

この場合は、ファーストペンギンというより、1人で死んでいったという意味で「アローンペンギン」とも言われたりするそうです。

 

それでは、このアローンペンギンを「ファーストペンギン」へと変えるものとは一体何か

これこそが、アローンペンギンに続いてリスクをとって飛び込んでいく「セカンドペンギン」なんですね。

つまり、2匹目が続くことで初めて、最初のペンギンが「リーダーシップ」を発揮した、という見られ方をされるんです。

 

もちろん、人間界の組織では、挑戦するだけで命に関わるようなことは基本的にはありません。

よって、ペンギンのように、「すぐに天敵に食べられてしまう」ことと、「ビジネスに失敗する」ということは、素直に結びつけることはできません。

 

ただ、少なくとも人間の場合、セカンドペンギンがいないと、”必ず”ファーストペンギンが駄目になる、ということは確かなのではないでしょうか・・・!

 

セカンド”日本”ペンギンは生まれづらい

そして、ここが重要な箇所なのですが、「日本ではリーダーよりも、セカンドペンギンが生まれづらい」言われているんですね。

その理由は、「日本人は、昔からリーダーを嫌う傾向がある」から、と言うのです。

 

ここは、著者のお二人の言葉を引用します。

山口:(中略)クラスの中で周りの空気を読み合って意見がまとまりかけているとき、「これはおかしいと思う」とか言い出す奴がいると顰蹙(ひんしゅく)を買うでしょう?

水野:「めんどくさいやつ」とか、「いいカッコしてる」とか「目立ちたがり」とか。それって会社組織でも同じですよね。浮いてしまうというか、周りから浮かされちゃう。

ヒヨコ
「わ、わかる・・・わかりすぎる・・・!」というのが、私の感想でした(笑)

 

日本って、学級委員長みたいなタイプに対し、どこか「バカにする」傾向ってありませんか・・・?

少なくとも私が育ってきた小・中学校では、少なからずこういった空気感を感じていました。

 

空気をまったく読まず、自分勝手な意見を言うだけの人は、嫌われてしまうでしょう。

しかし、「皆と違った意見を言ってみる」行為それ自体が、そもそも不可能な雰囲気になっている

万が一そういう人がいたら、皆で仲間はずれにしてしまう強烈な空気があるんですよね。

 

こういった学生自体を過ごしてきた日本人は、世界と比べても、「変なことを言い出すやつ」が生まれにくく、仮にいたしても、「誰も賛同しない」という状態となっているんですね。

 

【取るべき戦略】:イノベーションを生むために、リーダー”以外も”勇気を持つこと

だからこそ、「我々が取るべき戦略」は、今後もリーダーシップのある人を求め・育てつつ、「そのリーダーにきちんと賛同してあげる人」=「セカンドペンギン・フォロワー」を並行して育てることではないでしょうか。

 

そして、セカンドペンギンにも強い勇気が求められる、ということを忘れてはいけません

 

リーダーにばかり主体性を求めるのではなく、その周りにいる人全員に、「良いと思った案には良いときちんと表明する勇気」を持ってもらうこと。

これこそが、「強い組織」をつくる重要な要素となるのではないでしょうか。

ヒヨコ
セカンドペンギンの話を読んで、このことを強く感じました・・・!

 

まとめ

今回は、これからの時代に強い組織を作るには、「セカンドペンギン」の存在・育成が重要だ、という話をまとめていきました。

 

「リーダーがいなくて困る」「誰も、独創的な意見を言わない」

なんて、悩みを抱えている人は多いかもしれませんが、その背景にある理由とは実は、

「セカンドペンギンがいなから」

ということなのかもしれません。

 

組織として、「リーダー=ファーストペンギン」を育てると同時に、「フォロワー=セカンドペンギン」もしっかり育てていく、という方針も重要なのではないか。

そう、強く感じさせてくれる本でした。

『世界観をつくる』

 

経営・ビジネスにおいても、”アート”を重視する、という2人だからこそ、意外な気付きに繋がりやすい本だと思いますよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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