【書評・セリフまとめ】伊坂幸太郎『魔王』「多数決の勝ち方」

こんにちはネルです!

先日、伊坂幸太郎『魔王』を読了しました!

『魔王』(Amazonより)

そこで、この本の簡単な感想と、「心に残った文章・セリフ」をまとめていきたいと思います!

 

伊坂幸太郎『魔王』感想

この本は、「政治」を取り巻く話でした・・・!

 

今の日本の投票率の低さや、保身にばかり走る政治家、さらに、日本の武力保持に関わる有名な「憲法9条」についての話が沢山出てきます。

それらの政治の話題について、登場人物のセリフが核心をついているものばかりで、その言葉から自分も政治について深く考えさせられるような内容でした!

ヒヨコ
「魔王」というタイトルからは全く想像がつかない内容だったのですが、それでこそ伊坂幸太郎さんという感じですよね(笑)

 

エンタメ小説というよりは、政治について深く考えさせられるような文章が多く、とても勉強になる本で満足度は高かったです!

ただ、物語の起承転結という意味では弱かったので、刺激のある物語を求めている人には合わない小説であるとも感じました!

 

心に残ったセリフ3選

それでは、この本の中から特に心に残ったセリフを3点ピックアップしてまとめていきます!

今回紹介する箇所だけ読んでもネタバレにはなるようなことはないので、未読の方もざっくりと確認してみてほしいです!

 

相手を言い負かして幸せになるのは”自分”だけ

政治に関する話には、熱い議論がつきものですよね。

それに対し、主人公の弟が言ったのが、以下のセリフです。

「『今まで議論で負けたことがない』とか自慢している奴を見ると、馬鹿じゃないかって思うんだよね。」

「俺は議論が強い」とか、「自分は論理的思考が優れている」と思い込んでいる人ほど、つい相手を言葉で攻め立てて丸め込もうとしてしまいがちですよね・・・。

ヒヨコ
正直、高校生ぐらいのとき自分もそんなことがありました・・・(笑)

 

議論で勝っても、デメリットのほうが大きい

でも、こうやって議論で相手を打ち負かすことは、デメリットは大きくても、メリットは少ないのです。

「相手を良い負かして幸せになるのは、自分だけってことに気づいてないんだよ。理屈で相手をぺしゃんこにして、無理やり負けを認めさせたところで、そいつの考えは変わらないよ。場の雰囲気が悪くなるだけだ」

引用:『魔王』

たとえ相手を論破しても、

  • 相手の考えは変わらず
  • 場の雰囲気が悪くなる

この2点は、人と議論するときには意識する必要があるな、と感じた文章でした!

 

もういっそのこと、多数決じゃなくていいんじゃないの?

次に紹介するセリフは、国の政策に関する話をしている場面です。

 

長い期間をかけて政治家が議論したにも関わらず、結局選挙によって否決され、なにも変わらず時間だけが過ぎていく・・・。

そんな国の状況に対して、主人公(弟)の彼女が言います。

「だからー」女が口を尖らせる。「もう、いっそのこと多数決じゃなくてもいいんじゃないの?わたしなんかさ、そう思っちゃうよ。誰か、びしっと決めてくれたら、ついていくからさ

私はこの箇所を読んで、「確かに!」と感じつつ、「こういった考えを誰もが持つようになった時に、ヒトラーのような独裁者が出てくるってことか・・・」という感じました。

 

ナチス・ヒトラーの全権委任法

歴史について詳しくない私が語るのもナンセンスですが、、ドイツのナチス・ヒトラーは、「全権委任法」という法律を制定させた、ということを記憶しています。

これは、「私が、すべての決定を独断で行う」という、なんとも強烈な法律です。

これがあったからこそ、ナチス政権は、どんどん悲惨な政治をおこなっていくことになったんですね。

 

そして、先程紹介したような「誰かがもうびしっと決めてくれば、後をついていきます!」という態度こそ、こういった政治を生み出す危険があるのではないでしょうか。

実際にこの本には、そういった「ビシッと国を引っ張ってくれる若手政治家」が登場するんですね。

 

伊坂幸太郎さんははっきりとは語らなかったもののの、「多数決を否定することにも危険があるよ」というメッセージを発しているように感じました・・・。

ヒヨコ
セリフ1つで読者を深く考えさせてくれる、伊坂幸太郎の絶妙なテクニックに恐れ入ります・・・

 

多数決で勝つ巧妙なテクニック

最後に、紹介するのは「多数決の勝ち方」に関する話です。

 

以下に、問題形式としてまとめたので、ざっくりとで良いので考えてみてください。

あなたは多数決において、「A」という案を採用したいと思っています。

しかし、事前調査では

  • 「A」の賛成派:40%
  • 「A」の反対派:60%

となっており、このままでは多数決で負けてしまいます。

こんなとき、あなたならどうやって「A」を多数決で勝てるようにしますか?

 

「A」案の賛成派が半分を超えていない以上、多数決をやったら、負けてしまうように感じますよね。

実際に、もし「A」案とその逆の「B」案で投票をしたら、「B」案が勝ってしまうでしょう。

・・・しかし、それは2つしか候補がないからです。

 

選択肢を意図的に増やしたら?

もし、以下のように選択肢「C」を増やしたらどうなると思いますか?

  • 「A」案:自分が採用させたい
  • 「B」案:「A」案とは真逆
  • 「C」案:「A」案とは真逆だが、「B案」とも”ちょっと違う”

これをすると、「A」に反対派だった60%の人が、「B」案と「C」案に30%ずつバラけたりでもしたら、40%を獲得した「A」案が勝つことになるんです!

 

これこそが、「多数決で勝つ巧妙なテクニック」です。

つまり、「自分の意見に反対する案を”あえて”複数出すことで、反対意見の票をバラけさせて、多数決で勝てるように調整する」わけです!

ヒヨコ
めちゃくちゃ賢く、恐ろしいテクニックじゃないですか・・・?

 

本書の終盤で、たとえ話を使ってこの手法についての話が取りあげられていました。

「多数決は正義」と考えていると、、政治家によって巧妙に票を操作され、思わぬ結果を招きかねないといことを忘れないようにしたいですね!

 

まとめ

今回は、伊坂幸太郎『魔王』の感想と、心に残った箇所を3点まとめていきました。

 

政治に関して強い思想を持っている人こそ、この本を読むことで、いろいろな人の意見を取り入れられるようになると思います!

また、私のように政治や歴史に弱い人でも、この本によって考えるきっかけが得られる可能性も高いと思います。

少しでも気になった方は、ぜひ手にとって見てください!

『魔王』(Amazonより)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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20代の社会人です!読書、映画鑑賞、車、バイク、数学、IT、旅行情報など興味のある様々なことを発信していきたいと思います!ブログについて全くの初心者ですが、コツコツと良いサイトを作っていきたいです!!よろしくお願いします!