こんにちは読書ブロガーのネルです!
今日は、「昔から少しモヤッとしていた話」を、まとめてみます。
それは、「障がい者と健常者という括り方はどうなの?」「人はグラデーションのはずなのに・・・」という話です。
結論
まず、この記事で言いたいことの概要は、以下の通りです。
- 日本は、人を「健常者」と「障がい者」と2つのグループに大別してしまっている。
- しかし本来は”グラデーション”であって、バサッと2分することはできない。
- 無理にグループ分けすることで、「境界線近くにいる健常者」がひどく苦しんでしまう現実がある。
順番にまとめていきます。
障がい者”は”大切に扱わないといけない・・・?
自分が小学生のとき、先生から以下のようなことを言われた記憶があります。
「〇〇くんは、脳に障がいを抱えています。みんなそのことを理解して、助けてあげようね。」
その教えは、今振り返っても正しいと思いますし、当時の自分も納得していました。
障害を持った人は大切に扱わないといけない、それは間違いなくそうなんですが、、。
「じゃあ、健常者はみな平等に扱うべきなのか?」というと、少し違うような気がしています。
たとえば、学校のクラスの中に、「障がい者というグループには入らないが、対人能力が少し低い人」というのは一定数いたと思うんです。
しかし、そういった人たちは、あくまで「健常者」というグループです。
ですが、対人能力が少し低いので、他の人ができるようなコミュニケーションがなぜかうまくいかない。
すると、学校の先生や親には、「なぜ、周りの子ができるのに、お前はこんな事もできないんだ!」と責められる。
そして、高い確率で同級生のいじめられてしまう。
悲しいですが、そんな事態を見たり聞いたりしてきました。
人の能力は本来は、「グラデーション」である
- 「あの子は障がい者だから問題がない。」
- 「こいつは健常者だから、できないのは努力不足だ。」
こんな言葉が出てしまうのは、多くの人が「人は、障がい者と健常者どちらかに分けることができる。」と勘違いしているからです。
ここで、忘れちゃいけないなと思うのは、「人の能力は0か1かという話ではなく、グラデーションである」ということです。
たとえば、世界で最も重度の障がいを持っている人を0,世界でもっとも優秀な知能を持っている人を100とします。
すると、世の中のすべての人は、この0~100のどこかの位置にいることになります。
10ぐらいの人もいれば、36ぐらいの人もいる。そして、95ぐらいの超優秀な頭脳を持った人もいる。
このような状況の中で、日本の制度では例えば「30以下の人を、障がい者と認定する。」とバッサリと区切ってしまっているわけです。
じゃあ、このように区切ったとき、31の人はどうなるのか?
制度上ではあくまで健常者という位置づけですが、限りなく障がい者のグループに近いわけです。
しかし、健常者という括りであるため、70,80の能力を持った人たちと比べられ、「みんなができることはできて当然。」とみなされてしまうわけです。
人の能力はグラデーションであるということを、「皆が理解する」ことが大切
つまり、人の能力はグラデーションであって、本来はグループ化することができない。
それを、無理やりグループ化してしまっているため、その区切りの境界線上にいる人たちが、ひどく苦しんでしまう状況ができているな、と思うんです。
「確かにそれはもっともだが、じゃあどうすればこの事態は解決するんだ?」という話ですが、これが一番むずかしいことだ思います。
障がいを持った方には給付金などもあるため、国としては無理やりどこかの区切りで、人をバッサリと区別しないといけない、という現実もあります。
よって、おそらく今できることは、すべての人が「人の能力はグラデーションである。」ということを明確に理解することなんだと思います。
それは、差別とか蔑視とかそういう話ではありません。
- 「あの人はたぶん対人能力は低いけれど、デザインを考える力が人よりも突出している。」
- 「あいつは、計算は苦手だけれど、企画を考えるのがすごい。」
そうやって、お互いの持って生まれた能力を理解し合い、リスペクトをすることができれば良いなと思っています。
まとめ
今回は、「人の能力はグラデーションであって、健常者と障害者で二分することはできないはず」という話をまとめてきました。
- 日本は、人を「健常者」と「障がい者」と2つのグループに大別してしまっている。
- しかし本来は”グラデーション”であって、バサッと2分することはできない。
- 無理にグループ分けすることで、「境界線近くにいる健常者」がひどく苦しんでしまう現実がある。
特に、小学校では、人よりも少しできない子がいると、いじめの対象になりがちです。
だからこそ、学校の先生たちは、「障がい者と健常者」という2グループに分けることを子どもたちに伝えるのではなく、
- 「人の能力は色々な分野で、グラデーションとなっている。」
- 「お互いの得意・不得意をリスペクトすることが大事である。」
ということを伝えてあげるべきだと思っています・・・!
最後に、1冊の本を紹介します。『自閉症の僕が飛びはねる理由』という本です。
タイトルから分かる通り、この本は、自閉症である本人が、親の協力のもの執筆した本です!
自閉症の著者が、「なぜ風変わりな行動をし、どういったことを考え・感じているのか?」詳しく解説されています。
自閉症の方の実際の気持ちを知るうえで、とても重要な本です。
気になる方はぜひ読んでみてください!
赤ちゃん扱いされるたびに、みじめな気持ちになり、僕たちには永遠に未来は訪れないような気がします。本当の優しさというのは、相手の自尊心を傷つけないことだと思うのです
(Kindle位置:182)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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