「日本は資本主義。市場でモノが自由に取引され、個人の権利が保証される。」
そう理解している人は多いと思います。
平均的なサラリーマンが「年収400万」などで働いているのに対し、市場価値の高い人は年収「2,000万」など、大きな開きが出ていますよね。
これこそがまさに資本主義である証拠。
・・・しかし、「日本にも”部分的に”社会主義が存在し、しかもそれは非常に根強く生き残っている」と聞いたら、どう思いますか?
ある本を読んで、そんな記述を見つけて色々と感じることがあったので、今回は記事にまとめていってみます!
日本に”部分的に”存在する社会主義
結論から言うと、日本に存在する社会主義とは「会社」のことです。
特に、「日系企業」のことを言いますね。
つまり、日本自体は資本主義であっても、日本の中にある「会社」に限って言えば、「社会主義」と言えるんです。
ここで改めて社会主義とは何か?と言うと、「みんなが同じように働いて、給料も平等にしよう!」というもの。
一昔前は、国の中でも貧富の差がものすごく広がっていたため、こういった主張が多くの人に受け入れられていたんですね。
一部の人だけ大きな得をするのではなく、みんなが平等に得をするのが理想の世界!という考え方。それが社会主義です。
そして、日本の会社のシステムは、この「社会主義」で成り立っていると言えるんです。
日系企業で働いている人はよくわかると思います。
周りを見ると、ものすごく優秀で一生懸命働いて成果を出している人もいれば、なんとなーく働いて、たいして大きな成果を出していない人もたくさんいる。
しかし、給料の面で見ると、多少の違いはあるものの大差ない。金持ちと貧乏人のように、数千万円などの給料の違いが出るわけではないんですね。
これが、”部分的に”存在する社会主義の正体です。
自分は学校で、「社会主義は、言い換えれば『努力をしてもしなくても、努力している人と報酬が一緒ですよ。』ということ。そうすると、みんなが頑張らなくなるから結局社会は成立しなくなる。」と教えられてきました。
だから、「社会主義なんて、たしかにうまくいくわけがないよな~。」なんて考えていたわけです。
そりゃ、先程の説明をされたら、そう思ってしまいますよね。
しかし、実際に日本の中にもこんなにも根強く社会主義が存在していると聞くと、とても新たな気付きを得たような気分でした!
社会主義に対する考え方が少し変わった
ここまでを振り返ると、「日本の会社のシステムは、基本的に社会主義的である。」そんな話をしてきました。
一般的に国のシステムという枠組みの中でこの社会主義を導入するのは、今の時代の考え方では「よくないこと」とされています。
なんせ、努力する人がいなくなってしまう、からですね。
・・・しかし、だからと言って、「じゃあ日本の企業も資本主義的なシステムに変えるべきだ!」と主張したいかと言うと、そうでもないんです。
外資系企業は資本主義
ここで仮に、日本の会社も資本主義的な考え方を取り入れるべきでは?と考えたとします。
つまり、努力して成果を出している人には年収を平均の数倍あげるけど、その逆に成果が出せていない社員には、年収は100万円しかあげないよ。とやった場合を考えてみてください。
こういった環境を聞いて、「面白そう!」と思う人もいれば、「自分は給料が下がりそうで怖い。」と考える人も多いと思います。
そして実際に日本の企業ではなく、「外資系企業」は、実力主義として上記のようなルールの会社は多いと言います。
「外資系企業=給料が高い」というイメージはなんとなくあると思います。
しかし、その裏では、社員は毎日深夜まで残業。常に最高の集中力を発揮しながら働いていかなければいけません。
なんせ、成果が出せなくなった途端、給料が何分の一になるし、下手したら「クビ」になるからですね。
外資系企業の実態を見ると、ほとんどの日本人は、「やっぱり俺は、日本の普通の企業が合っているんだろうな~」と思うことが想像できます。
過度な競争社会ばかりでは、メンタルがすり減る
結局は、なんでもかんでも資本主義を取り入れると、競争ばかりでメンタルがすり減る、という厳しい環境が容易に想像つきます。
日本企業のように、「みんな横一列ですよ~。」とやっていてくれるからこそ、比較的ゆとりを持った働き方ができるんですね。
学生の頃、「社会主義なんて、うまくいくわけがないだろ~。誰も真面目に働かなくなるのが想像できるし。」なんて考えていましたが、日系企業の働き方を考えると、社会主義のメリットも部分的にわかってきました。
世界規模で見ると、社会主義システムの会社は惨敗する
ただ、やっぱり歴史期には、国全体として社会主義を導入すると、他国に惨敗するという結果があるんですね。ソ連もその一つです。
そりゃ、自国はゆった~りと働いている一方で、他国は資本主義の中で猛烈に働いている。
そんな状況では、数年もすれば惨敗することが目に見えていますよね。
日本も会社としては社会主義で、たしかに強い危機感なく働いている人が大半だと思います。
そういう自分も、常に100%の力で仕事を出来ているかと言うと、正直全然そんなことない。
一方で、たとえば中国やインドなどでは、「生まれたときの身分は低いけど、猛烈に勉強して働けば、上流階級の仲間入りだ!!」と半端ないモチベーションで働いているすごい人達がわんさかいるんです。
その状況を考えると、「そりゃ日本は負けちゃうよな・・・。」と思わざるを得ません。
だからといって、日本もどの企業も血みどろの努力をして働くべきだ!モーレツ社員復活だ!と言われるのも、しんどい。
コスト競争なんてやっていたら、キリがないわけです。
働く環境が良い日本だからこそ、そのゆとりのある時間を活かし、発想力・デザイン力などで勝負するのが最善なのでは?そう感じました。
まとめ
結局、社会の制度も「万能なものなんてない」んだな、と感じます。
資本主義がいきすぎるとみんなメンタルが疲れるし、だからといって社会主義にすると、だれも真剣に働かなくなる。
完璧な制度がないからこそ、部分部分で色々な制度を取り入れて、各メリットを活かすような方法が最善なのかもしれないですね・・・!
↑こちらの本で、中国の共産主義の強み・弱みを深く考えさせられました・・・!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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