こんにちはネルです!
今回は、「「独創的な研究をする方法は?」という問いがすでに独創的ではない【小坂井敏晶さんの考えを紹介】」というテーマで話をまとめていきます!
参考にした本は、小坂井敏晶『社会心理学講義』です。
- 「独創的な研究をしたい」と人と比べている時点で独創性がない
- 真の研究は自分の興味の赴くままに突き進んでいくべきもの
- 「やりたいからやる。」それが自身に対する誠実さ
それでは、順番にポイントをまとめていきます!
どうしたら独創的な研究ができるか?
大学生や研究者たちは、「人よりも独創的な研究をするにはどうしたら良いか?」と、一度は考えたことがあると思います。
それについての著者の答えがとても印象に残ったため、紹介します。
早速ですが、本文より引用します。
どうしたら独創的な研究ができるのか、自問したことのない研究者はいないでしょう。しかし人間や社会を対象にする学問においては、この問いは出発点から誤っている。他の人と違う研究テーマやアプローチを見つけようと欲する時、我々はすでに他人との比較で考えているからです。それが、そもそも独創性からずれている。本当に大切なのは自分自身と向き合うことであり、その困難を自覚すること、それだけです。
引用:『社会心理学講義』
かなり哲学的な答えのように聞こえますが、とても深く鋭いことを言っているのではないか、と感じます。
「人間や社会を対象にする学問においては」と言っていますが、これだけに限らず、どんな分野の研究にも当てはまることではないでしょうか。
人よりも独創的であろうする考え方が既に独創性がない
独創的であろうとするとはつまり、「人よりも変わったことをしたい」という考えからではないでしょうか。
そのように、「他人との比較」という基準で物事を考えている時点ですでに「独創性がない」と言うんですね。
独創的であるとは、「真に自分がやりたいことを突き詰め、そこから何かを得られること」であって、決して人と違うことをしようと”他人を意識して”行うことでは得られないものなんですね。
価値のある研究をしようとしすぎては、研究の真の意義を失ってしまう
私も昔は大学で研究をしていた身です。
そこで研究についてさらに感じるのは、「社会的に価値がある研究をしようと意識しすぎていては、研究の真の意義を失ってしまう恐れがある」ということです。
もちろん、社会的に強く求められているものを実用化しようと研究にいそしむのも大切なことだと感じます。
しかし、研究とは本来、「こんなこと誰の役にも立たないかもしれないけれど、何か面白い結果を得たい」と色々な人が”自分の好奇心”によって突き進め、偶然にもそこから社会的に大きな価値のあるものを生み出す、というものではないでしょうか。
今回の引用した箇所を読んで、改めてそう思いました。
最近、大学で研究発表をしても、「その研究は社会的にどんな効果をもたらすんですか??」などと意地悪な質問が飛んできたりもします。
しかし、こういった真の研究の意味を考えると、この質問はナンセンスなものだと思うんですね。
学生を含め、研究者のみなさんはぜひ興味の赴くままに自分の研究を突き進めていって欲しいと強く思います。
研究者も同じではありませんか。死ぬ気で頑張れと言うのではありません。遊びでいい。人生なんて、どうせ暇つぶしです。理由はわからないが、やりたいからやる。それが自分自身に対する誠実さでもあると思います。
まとめ
今回は、『社会心理学講義』より、「「独創的な研究をする方法は?」という問いがすでに独創的ではない【小坂井敏晶さんの考えを紹介】」というテーマで話をまとめていきました。
研究については様々な意見がネット上でも飛び交っていますが、「長期的な目線」での取り組みの大切さもぜひ忘れないでいて欲しいと思います。
- 「独創的な研究をしたい」と人と比べている時点で独創性がない
- 真の研究は自分の興味の赴くままに突き進んでいくべきもの
- 「やりたいからやる。」それが自身に対する誠実さ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!