こんにちはネルです!
今回は、「【常識に縛られる危険:フロギストンの例】事実を受け入れる柔軟さが大切!」というテーマで話をまとめていきます!
参考にした本は、小坂井敏晶『社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉』です!
- 「常識や自説」に縛られると、事実を無理やり捻じ曲げてしまう
- フロギストンという「負の重量」を持つ物質が信じられていた時代も
- 事実と理論が異なったときに、冷静に事実を受け止める姿勢が重要
それでは、順番にポイントをまとめていきます!
常識に縛られる危険
一般的に「常識に従うことは大切だ」という意見は多いですよね。
たしかに社会で生きていくためには、常識とされていることを察して、上手に立ち回らなければいけないこともあると思います。
しかし今回紹介するのは、「常識に縛られた思考をしてしまう危険」についてです!
常識を無批判に信じてしまっていては、客観的で冷静な判断ができなくなるということも起こるのです。
それについての面白い例が、「フロギストン」という物質を巡る話です。
「フロギストン」という物質について
18世紀、モノが燃えるという性質を説明するために、ドイツの科学者ゲオルク・シュタールが、「フロギストン」と呼ばれる物質を考え出したそうです。
これは、「モノが燃えると、その中に含まれるフロギストンが消費される」という説で、当時ではかなり有力な説明となっていたそうです。
しかし、主に金属においては、「モノが燃えるとその物質は重くなる」というデータは既に知られていました。

シュタールの説では「モノが燃えるとはフロギストンが消費されること」ということですから、その物質が重くなるというのは矛盾が生じることになりますよね。
フロギストンは負の重量を持つ!?
それでは、シュタールはこの状況に対してどのような説明をしたのか。
なんと、自分が打ち立てた理論があくまでも正しいということを疑わず、「フロギストンは負の重量を持つのだ。だから、モノが燃えてフロギストンが消費されると、そのモノは重くなる」という無茶な説明をしたののです・・・!
そして恐ろしいことに、18世紀末にラボアジエという学者が新しい理論を発見するまでは、その「負の重量」というおかしな概念が科学界で正式なものとして認められていたのだそうなんです!

事実を冷静に受け止められるか
今でこそフロギストンの話はとんでもない事に聞こえますが、当時はこれが有力な説であり、「常識」となっていたわけなんです。
「モノが燃えるのは、フロギストンが消費されているからだ」というもっともらしい説を一度でも揺るぎない事実として無批判に信じ込んでしまったために、その説を曲げないよう「負の重量」という無茶な説明がされていったというわけなんですね。
この話からわかる教訓は、「一般的に常識とされていることも誤っているかもしれないと思う態度」が重要であり、理論とは違う現実が起こった場合には、その理論自体を疑う姿勢を常に持つことなんです!
それは科学者に限らず、一般人にも言えることではないでしょうか。
なにごとも「これが常識だ」「そんなの当たり前だ」こういった態度で生活していては、現実に起こっていることをないがしろにしてしまうことになります。
「自分が信じていることや社会で常識とされていることも、もしかしたら誤っているかもしれない」という柔軟な態度を持ち続けていきたいですね!

まとめ
今回は、『社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉』より、「【常識に縛られる危険:フロギストンの例】事実を受け入れる柔軟さが大切!」というテーマで話をまとめていきました!
「負の重量」などというおかしな学説がほんの数百年前まで信じられていたことに素直に驚きました。
しかし、これも時間がたった現代だからこそわかったこと。
もしかしたら今私達が信じている科学の多くは間違っており、数百年後には修正されていくのかもしれない、という知的態度を持っておきたいですね!
- 「常識や自説」に縛られると、事実を無理やり捻じ曲げてしまう
- フロギストンという「負の重量」を持つ物質が信じられていた時代も
- 事実と理論が異なったときに、冷静に事実を受け止める姿勢が重要
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!