こんにちはネルです!
今回は、「人を疑うことをやめれば便利なものやサービスが作れる」というテーマで話をしていきます!
参考にした本は、光本勇介『実験思考』です。
- 世の中のあらゆるサービスは、「人を疑うこと」を前提に作られている
- 駅の改札やWebサイトのログインシステムは、「ごく一部の悪い人」を防ぐための仕組み
- 「損害<利益」となれば、セキュリティを緩くしてもビジネスは成り立つし皆が便利になる
それでは、順番にポイントをまとめていきます!
【目次】
人を疑うことをやめれば便利なものやサービスが作れる
著者は、「世の中のあらゆるサービスは”人を疑うこと”を前提にしている」と言います。
つまり、悪い人が世の中にいることを前提にサービスが作られている、と。
たとえば、Webページのログインシステム。
これは、「不正に人のアカウントを使おうとする人がいる」から、本人しか知りえないIDとパスワードを使って情報制限をかけているんですよね。
もしこの世の中が「すべて良い人」で満たされていた場合には、こういった本人チェックはなしでアカウントを使うことができるようになる、というわけなんです!
ごく一部の悪い人のために大多数に無駄なチェックをさせている
実際、人のアカウントを不正に使用しようとする「悪い人」は、ごく一部の人だけですよね。
せいぜい100人中5人いるぐらい。
そして、この”悪い人”5人を排除するために、残りの”良い人”95人に無駄なチェックをさせているというわけなんです!
この「ごく一部の悪者のために、大多数の良い人たちに無駄な時間を取らせてしまっている」という現状が正しいことなのか、疑うことが重要なんです!
損害よりも利益が上回ればビジネスは成り立つ
そこで、著者は以下のように問いかけます。
「人を疑わずにセキュリティもガバガバにゆるくして、全員にサービスを提供したらどうなるか?」
つまり、「IDやパスワード管理をなくし、全員を全力で信じる」というサービスを作るのです。
たとえ悪い人が5人いたとして、その人たちが一定の損害をもたらすかもしれません。
しかし、残りの良い人95人が、それ以上の利益をもたらしてくれたら、ビジネスとしては成り立ちますよね。
ビジネス的に考えると、「損害額<利益額」となればよいのです!
改札機の導入コスト
そこで、人を疑うことによるコストの大きさを表す例として、電車の「改札機」が取り上げられていました。
実は、改札機は一台650万円~1500万円もするそうなんです。
これが、一駅に数台置かれているのが現状です。
これは言い換えると、「悪い人が切符を買わずに電車に乗ってしまう」ことを防ぐためにかけた莫大なコストの典型的な例だと言えます。
しかし、もし人を全力で信じたらどうなるか。
「切符を買ってください。チェックはしませんが、信じています」
こう張り紙をだして、改札機をなくすことを仮に考えてみてください。
無賃乗車をする人は一定の割合でいるとは思いますが、その人数が意外と少ない場合、「損害額」も小さくなりますよね。
そしてもし、「無賃乗車による損害額<改札機の導入コスト」となったならば、それは「人を全力で信じる方がみなが得をする」という状態になるわけなんです。
性善説に基づいたサービスを作る実験
そして、著者は本書で次のように語っています。
ぼくは「人を信じたい」と思っているわけではありません。それよりも、ビジネス的な観点で、そのほうが儲かるのではないかと思うわけです。あたりまえを疑うことで世界の景色を変えてみたい。それを本当にマスのサービスに適用できるのならやってみたい。「性善説に基づいたマスのサービス」を作ってみたいのです。
(本文引用)
ただ単に「人を信じろ!」と言っているわけではない。
きちんと損得勘定をしたビジネス的な視点から、「人を信じたほうが儲かるし、多くの人が便利に使えるサービスが可能になる」と言っているのです!
まとめ
今回は、『実験思考』より、「人を疑うことをやめれば便利なものやサービスが作れる」というテーマで話をまとめていきました!
駅の改札やWebサイトのログインシステムも、「ごく一部の悪い人のために、多くの良い人が被害を受けている」という現状を認識しておきたいですね!
- 世の中のあらゆるサービスは、「人を疑うこと」を前提に作られている
- 駅の改札やWebサイトのログインシステムは、「ごく一部の悪い人」を防ぐための仕組み
- 「損害<利益」となれば、セキュリティを緩くしてもビジネスは成り立つし皆が便利になる
ちなみにこの本は、とても面白い「実験」をしています。
なんと、本の価格は”無料”で、読者が「どれだけこの本に価値を感じたか判定し、自由にお金を払う」という方法を取っています!
(ただし、紙の本を買う場合は印刷代約300円はかかります)
試みがとても面白いですよね!
そして、どれだけのお金が集まったか、いつでもWebサイトから確認できるようになっています。
確認したところ、2019年6月1日時点でなんと約9,000万円も集まっているんです!!
上記のサイトだけでもぜひ覗いてみてくださいね!
新しい試みにきっと興味がわくと思いますよ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!