日本の企業の生産性が上がらない理由

日本の企業の生産性が上がらない理由

「日本の企業は生産性が圧倒的に低い」

こんな言葉を最近耳にすることが多くなりました。

 

ではなぜ、これだけ「生産性が大事だ」と言われているにも関わらず、日本の企業は海外より低いままとなってしまっているのか

その理由として、今回読んだ伊賀泰代『生産性』という本がとても勉強になったので、まとめていきたいと思います!

 

日本企業の生産性が低い理由

日本企業の生産性が低い理由、それは日本人が、

「生産性とは、工場のオペレーションの効率化の話だ」

と考えてしまっているからなのです!!

 

高度成長期、世界をリードした日本

戦後、日本は高度成長期に入り、「ものづくりの日本」として”工場の生産性”で世界をリードしてきた、という話は有名ですよね。

そして、日本では「トヨタ生産方式」など、今でも世界で使われる優れたものづくり技術があります。

 

1つの製品を作るにも、その製造原価を1円、0.1円でも安く、そして1秒でも早く作れるように「効率化」をする、この技術が日本では優れていたということです。

そして、こういう時代が長かったために、日本では「生産性とは、工場でのものづくりの話だ。」という意識が今でも残っているのです!

 

自分の仕事を他人にストップウォッチで計られことはあるか?

モノづくり現場ばかり生産性が求められている。

この現状を表すものとして、以下の話が非常に納得しました。

「製造現場では、すべての人の仕事ぶりが公開され、時には許可なく、仕事のスピードをストップウォッチで計測される」

計測とともに、作業の細かいところを1つずつチェックしていき、どこが改善できるかを多くの人と話し合うことが頻繁に行われているわけです。

 

そして、このような「無断で仕事を計測される」という経験は、ホワイトカラーの人たちは皆無といっていいでしょう。

それどころか、「自分の仕事をじっくりと他人に見られるのが恥ずかしい」とすら感じている人が多いのではないでしょうか。

 

この現状こそが、「製造現場ばかり生産性が上がる」原因であり、その背後には「生産性なんて、現場だけの話だ。」と多くの人が考えている証拠となっているのです!

 

ホワイトカラーの優越意識も、大きな障壁となっている

さらに、生産性を高めるための壁となっているものは他にもあります。

 

ホワイトカラーとしてオフィスで働く人達は、工場の現場などで働く人たちよりも「優越意識がある」というのが、その理由です。

「自分たちの仕事は、(現場の仕事と違って)自由度が高く、クリエイティブで難易度が高い。」

こういった意識を、わずかながらでも持ってはいないでしょうか・・・?

 

そうした意識を持っている人たちに対して、「仕事の生産性」の話を持ちかけると、「効率ばかり追い求めていては、いい仕事はできない。」という意見が出ます。

著者の伊賀泰代さんは、そんな「根拠なき優越意識」があるからこそ、日本はホワイトカラーの生産性がなかなか上がらない、と言うのです!

 

ホワイトカラーの生産性を上げる方法

では、一体どのようにして、生産性を上げればよいのでしょうか

それは、「労働時間を減らして、これまでと同じ成果を出せるようにする」という方法が一番です!

 

これまで多くの人は、高い成果を出すために夜遅くまで残業して沢山の業務をこなす、という働き方をしてきたと思います。

そして、そういった「がむしゃらに働く」ということが、むしろ称賛すらされていました。

 

しかし、今求められるのは「少ない時間でより多くの成果を出すこと」です。

それを達成するには、「労働時間を減らす」ことがポイントとなるんです!!

 

なぜ労働時間を減らすことが生産性upにつながるのか

たとえばこれまで20時まで毎日働いていた人が、「毎日必ず定時に帰る」と決めた場合を想像してみてください。

本気で定時帰りを達成するには、仕事のスタートから「いかにこれまでの仕事を早く片付けていくか」に集中し始めます。

つまり、締切を設けることで、始めて生産性を高めるための工夫が始まるのです。

 

もし締切がなかった場合や、その覚悟が弱かった場合、結局定時頃になって、「やっぱり仕事がすべて終わらないから、もう少しだけやっていこう・・・」とズルズル会社に残るのがオチです。

よって、

  • 「”必ず”〇〇時まで仕事を終わらせる」
  • 「今月は、いつもより1時間早く帰る」

というような、締切の設定と、強い覚悟を持つことが、「生産性を上げるうえで最も有効な手法」なんです!

 

これについては、ちきりんさんの『自分の時間を取り戻そう』より引用した話です。

こちらもめちゃくちゃ良書なので、まだ読んだことがない方は伊賀泰代さんの本と合わせてぜひ読んでみてください!

 

まとめ

「生産性を上げろ」と最近はとても頻繁に耳にしますよね。

それを聞いても、特に日本人は「クリエイティブな仕事に生産性の話を持ち込んだら、高い成果を絶対に出せなくなる」なんてことを思ってしまうのです。

 

たとえクリエイティブな仕事でも、

  • 情報収集にかける時間をもう少し短くできないか
  • アイデア共有に割く時間を減らせないか
  • メールなど無駄な時間を、もっとクリエイティブな仕事に回せないか

など、いくらでも仕事全体の生産性を高める方法はあるわけです。

 

ぜひ、「効率ばかり求めていても良い仕事なんかできない」と、妙なプライドをもった態度を取るのではなく、「工場現場のように、自分たちの組織全体も効率化できないか」という視点を持ってみてほしいです!

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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