こんにちはネルです!
よく、スライドを作る際にこんなアドバイスをもらうことはないでしょうか。
「割合を示すなら、必ず円グラフを使え!!」
私自身、そのアドバイスに従ってこれまで資料を作ってきましたし、実際にそれが正しいことだと思っていました。
・・・しかし、先日、山口周『外資系コンサルのスライド作成術』を読んで、それは必ずしも正しいことではない、ということを学びました。
とても納得のいくものだったので、自分のメモも含めてまとめていきたいと思います!
- 割合を示すデータでも「円グラフ」と「棒グラフ」を使い分けるべき
- 人は「角度」を正確に把握することが得意ではない
- 1つのデータを目立たせたく、”25の倍数データ”が揃った時こそ円グラフが活躍する
【目次】
「割合なら円グラフ」ルールでは”死にスライド”になることも
今回の一番のポイントは、「割合なら必ず円グラフ」というルールでは良いスライドは作れない、ということです!
正確に言うと、「状況によって、割合でも円グラフと棒グラフを使い分ける」ことが、優れたスライド作成のコツになります。
まずは、実際にあるデータを「円グラフ」と「棒グラフ」で並べた結果が本文で紹介されていたので、引用したいと思います。
グラフ例)円グラフより棒グラフの方が優れている場合
最初に、「割合なら円グラフ」というルールのもと作った以下のデータを見てみてください。
上記は、各市場に対するメーカーのシェアを示したものです。
これを見て感じるのは、「どれも、ほぼ同じシェアを占めているんだな・・・。」という印象ですよね。
それでは次に、これを「棒グラフ」を使って示した場合にどのように印象が変わるかを見てみましょう。
・・・これを見て、どう感じるでしょうか。
先ほどの円グラフのものと全く同じデータを使っているにも関わらず、受ける印象は大きく変わっていますよね。
そして、円グラフのときよりも棒グラフのときのほうが、より多くの「気づき」が得られるのではないでしょうか。
円グラフはデータの数値が「25の倍数」のときに使え!
このように、割合を示すグラフであっても、円グラフよりも棒グラフで示したほうが、その特徴がひと目で掴みやすいということがあるんです!
「割合だからといって、必ず円グラフ」という思考は誤りだということが、理解できたかと思います。
それでは一体、どのような場合に円グラフを使うべきなのでしょうか。
それは以下の2つの条件が揃った時だと言います。
- 焦点を当てた「1つのデータ要素」をその他全体と比較する場合
- データ要素の数値が 25% や 50% といった「 25 の倍数」に近い場合
以上の2点が揃って初めて、人は直感的に円グラフから比率を把握できると言います。
逆に言えば、これらの条件を満たさないときは、「割合でも棒グラフを使ってみる」という意識が重要だということです。
この25の倍数というのは、つまり「時計の12時、3時、6時、9時」に境目が来るようなデータです。
これは、「人間の視覚が、垂直と水平に敏感に反応するという性質」があるからだそうですよ!
人は”角度”を正確に認識することは苦手
このように円グラフが常に推奨されるわけではいのは、「人は、正確に角度を捉えることができない」からだと言います。
ベル研究所は、人間は長さほど正確に角度を知覚できないことも明らかにしています。これらの論考は円グラフのパイ=扇型の大きさを人間は正確には把握できないことを示唆しています。つまりグラフフォーマットとして円グラフには決定的な問題があるのです。
引用:『外資系コンサルのスライド作成術』
まとめ
今回は、『外資系コンサルのスライド作成術』より、「割合だからといって、円グラフが常に正しいわけではない」という話をまとめていきました。
特に学生や新入社員の方は、授業や研修などでこういった「スライドづくり」について学ぶと、「円グラフは割合用だ!」という、わかりやすいルールを学んで、それを信じ込んでしまいやすいと思います。
私もまさにその1人でしたが・・・、今回の話はよく覚えておきたいですね!
- 割合を示すデータでも「円グラフ」と「棒グラフ」を使い分けるべき
- 人は「角度」を正確に把握することが得意ではない
- 1つのデータを目立たせたく、”25の倍数データ”が揃った時こそ円グラフが活躍する
また本書では、「グラフを作る前に、スライドが何を伝えたいものなのか必ず先に考えるべき」など、スライドづくりのコツがとても豊富に載っていました。
特にこういった本を一度も読んだことがない人は、この1冊からでもかなり多くのことを吸収し、スライド作成技術を大幅に上げることが期待できます。
スキルアップのためにも、ぜひ読んでみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!