音楽と美術の違いとは『東京藝大 天才たちのカオスな日常』

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こんにちはネルです!

今回は、二宮敦人『東京藝大:天才たちのカオスな日常』より、「音楽と美術の違いとは」という話をメインに内容をまとめていきます!

 

この本は、東京藝術大学について長年かけてリサーチした著者が、この学校の面白さ、不思議さについてまとめたものです!

音楽や芸術に普段関わる機会のなかった自分は、この学校のぶっ飛んだ面白さに、驚くことばかりで最後まで楽しんで読み切れました!

今回はその中でも、「音楽と美術の違い」についての記述が心に響いたため、まとめていきます!

 

次のような方におすすめの記事です
  • 東京藝術大学に興味がある
  • 音楽と美術の違いについて、一度じっくりと考えてみたい
  • 自分の知らない世界を少しでも覗いてみたい

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それでは、ポイントをまとめていきます!

 

音楽は一過性の芸術

「音楽は一過性の芸術だからね」音校楽理科卒業生の柳澤佐和子さんの言葉だ。「つまり、その場限りの一発勝負なのよ。作品がずっと残る美校とは、ちょっと意識が違うかもしれない。あと、音楽って競争なの。演奏会に出る、イコール、順位がつけられるということ。音校は順位を競うのが当たり前というか、前提になっている世界なんだよね」

(本文引用)

まず、東京藝術大学は大きく「音楽科」と「美術科」に別れています。

そんな中で、音楽科の学生が言ったのが上の言葉だそうです!

音楽は一過性の芸術。作品がずっと残る美校とは、ちょっと意識が違うかもしれない」

ヒヨコ
ハッとさせられる一言ではないですか・・・?

 

音楽も美術も、「自分の感性を存分に発揮することで、人に自分の表現を伝えること」という点では同じかもしれません。

しかし、音楽は瞬間的に価値をもつものであり、美術は作品としてずっと残るもの、という大きな特徴の違いがあるんですね!

音楽科として、音楽に全力を注いでいる人だからこその言葉。とても納得のいく言葉だと感じました!

 

美術作品は後世まで残り続ける

そして美術作品は音楽とは違い、以下のような大きな特徴があります。

「作品は、いつか評価される可能性も残り続ける」

この一言は美術作品としての奥の深さをとても端的に表現していると感じました!

 

社会が変わり世間の人たちの作品への捉え方が変わることで、急に自分の作品が評価され始めるのが、美術の面白さなんですね!

 

音校と美校では時間の意識も全く逆

音校の中でも邦楽科は特に厳しいようだが、全体的に美校よりも時間の意識は強い。作品が置いてあればよい展覧会と違い、演奏会は奏者が欠けたら成立しないのだ。ほぼ全員遅刻の美校と、時間厳守の音校。美校と音校の合同教授会議では、喧嘩にならないのだろうか?

(本文引用)

また、音楽と美術には、

  • 音楽:演奏会で奏者が欠けたら成立しない
  • 美術:作品が置いてあれば、作者がいなくても問題ない

という大きな違いもあると言います!

これも強く納得できることではないでしょうか。

 

ここで面白いのは、こういった特徴が授業にもそのまま反映されているそうです!

つまり、音楽科の授業は全員無遅刻で時間どおりに生徒が来る一方で、美術科の学生の大半は授業に遅れてくるそうなんです(笑)

ヒヨコ
こういった真逆な2つの学科が共存している学校だからこそ、面白いの学校の風土が形成されているのかもしれませんね・・・!

 

大学受験の試験科目も異質さが際立っている

最後に、この本の中でぼくが一番好きな箇所を引用します。

 

東京藝術大学は、音楽や美術のプロを目指す人たちにとって憧れの学校であり、大学受験の合格倍率は10倍ほどもあるそうなんです!

学部によっては、昔は60倍も超えることもあったそう・・・。

ヒヨコ
こういった背景から、東京藝術大学は、「芸術会の東大」とも言われているそうです!

 

音楽環境創造科の「自己表現」テスト

そして、東京藝術大学は、試験科目もやはり異質さが際立っているそうです。

その一つが、「音楽環境創造科」の「自己表現」という試験科目で、以下のようなことが現実にあったといいます。

 

課題内容としては、「鉛筆・消しゴム・紙を使って好きなことをしなさい」というもの。

なんとも漠然としていて恐ろしい・・・。

この試験において、ある受験者が取った行動が以下の通りです。

「私の友達は、黙々と鉛筆の芯を削り出した。それからその芯を細かく砕いて、顔にくっつけていったの」 雲行きが怪しくなってきたぞ。 「最後に、紙を顔に叩きつけた。パーンって。紙に黒い跡がつくでしょ。それを自画像って主張して提出したんだって」 「……その人はどうなったの?」 「合格したわ」 たとえ思いついたとしても絶対に実行できない。

(本文引用)

 

普通の大学受験を受けてきた人たちには全く想像できない世界・・・。

ヒヨコ
とても独特な感性を持っていないと、こんなことを思いつきもしないということがよくわかる例ですよね・・・!(笑)

 

まとめ

今回は、『東京藝大 天才たちのカオスな日常』より、「音楽と美術の違いとは」というテーマをメインにまとめていきました!

 

普通の大学受験をし、普通の大学生活を送ってきた自分にとっては全く別世界の話で、書いてある内容すべてが新鮮でした!

また、著者の文章力もこの本のもう一つのポイントです。

淡々と東京藝術大学の面白さを描きつつも、急に笑いを誘ってくるような文章の書き方をしていて、最後まで一気に読み切ることができますよ!

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芸術の世界に縁のない人にこそ、ぜひ中身を覗いてみてほしいです!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

1 個のコメント

  • 天才の多くは物理学者の方々。
    芸術家の多くの方々は変人。
    それは東京芸大も日大芸術も同じ。東京芸大の方が純粋の変人が多い、日大芸術は理屈変人が多いと思う。よって、卒業後飯が食えてるのは日大芸術の方が多いかもしれない。

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