情報戦において、「フランス型」と「イギリス型」という言葉があるのは、ご存知でしょうか。
この2つの違いを知って、ぼくは「情報を集めるときのコツ」をこれまで以上につかめました。
そこで今回は、2つの特徴の違いと、「情報を集めるときは、イギリス型を意識せよ!」という話をまとめていきます!
参考にした本は、以下です。
情報戦における、「フランス型」と「イギリス型」の違い
イギリスとフランスは、過去の歴史を振り返っても、何度も戦争をしてきました。
そんな中で、あなたは「イギリスってやたら戦争に強いよな~」という印象を持っていませんでしょうか。

現実を見ても、ヨーロッパで一番の大国であるフランスよりも、日本のような小さな島国であるイギリスが何度も戦争で勝っています。
その大きな理由が、今回紹介する「情報収集法の違い」だと言うのです・・・!
「フランス型」の情報戦
まず、「フランス型」の情報収集法を説明します。
ただしフランス型と言っても、けっこう一般的な情報の扱い方であることに注意してください。
どういうものかというと、「とにかく人海戦術的に、敵国の情報を”もれなく”集める」というものです。
こうして集めた、いわば”ビッグデータ”と呼ばれる膨大な量の情報。
この中から、敵国の弱点を見つけ出す、という方法を取っていたのです。

「イギリス型」の情報戦
では、対して戦争で強かった「イギリス型」の情報戦とはどういったものか。
イギリスはフランスと違って国土も狭く、国家予算も限られている。
だからこそ、「相手の心臓部を狙った、ピンポイントの情報収集」に長けていました。
つまり、スピーディーに重要な情報を集めることを得意としていたんですね。
こうして、イギリスは効率的に情報戦を制すことで、フランスから、北米大陸やインド、アフリカの植民地を奪い取ることに成功したいといいます。

この違いこそ、イギリスがフランスに戦争で勝ち続けた理由だったのです。
情報を集めること自体が目的化する危険
こうして見ると、「大事な情報を集中して集める」ということは、ごく当たり前のことのように感じるかも知れません。
しかし、実際にこうした効率的な情報収集を、私達は普段からしっかりとできているでしょうか。
よくあるのは、「情報を集めること」それ自体が目的化してしまっていること。
これをし始めると、「あれも集めたい」「もっと情報を・・・!」という誘惑にかられて、目的意識が薄く、ただ大量の情報を集めることに終始してしまうのです。
そうして意味のないデータでごった返しあとに、ようやく分析を始める。
でも、そんな大量の情報があっては、スピーディーな分析をおこなうことはとても困難なことなんですね。

分析麻痺という危険
アメリカ人経営学の研究者イゴール・アンゾフは、「情報をただ集めて、分析することが目的になってしまっている状態」のことを「分析麻痺」と名付けました。
なんとも、特徴を上手く表現した言葉ですよね・・・。
本来、集めたデータによって、”自分たちが次にどういった1手を打つか”。
これが目的であったはずです。
それなのに、分析それ自体が目的になった分析麻痺の状態では、情報をべらぼうに集めて、ただ分析をして満足しておしまい、というなんとも無駄な状況になってしまうわけです。
ともすれば、ぼくたちが生きるIT時代は特に、「データを大量に集めること」が最終目的となってしまっていないでしょうか。
そんな時代だからこそ、フランス型ではなく、イギリス型の情報収集、つまり、「次の1手に必要な情報のみをピンポイントで集める」ということを、強く念頭に置くべきだと感じました!

まとめ
情報を集めているときは、なんだかすごく自分の仕事が進んでいるような気がしてしまいます。
しかし、これは大きな勘違い。
大事なのは、「その情報によって、どんな決断を下すか。」
このことは、常に意識するべきですよね!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!