先日、伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』を読み終わりました!
いや~、私の大好きな作家だけあって、この本も期待通りにめちゃくちゃおもしろかったです!
人と人との出会いが様々な偶然で起こり、そして登場自分たちの何気ない行動が巡り巡って互いに影響を及ぼし合うストーリー。
その中で、何よりも登場人物たちの「名言」が凄まじく楽しめました・・・!
そこで今回は、この本の感想と、心に残った名言をまとめていきたいと思います!
【目次】
『アイネクライネナハトムジーク』感想
感想として最初に概要を述べると、以下の3点です。
- 著者には珍しい、恋愛中心の物語。全体的に、ほっこりする話
- 短編集だけど、登場人物が意外なところで影響しあう様子が楽しめる
- 本編終了後の「解説」が、びっくりするぐらい読みやすい
ここで皆さんに聞きたいのですが、小説の最後についている「解説」って、読みにくいものが多いと感じませんか・・・?
私は普段から、折角だからという理由で、必ず解説にも目を通すようにはしています。
しかし、この解説って、「小難しい妙な分析」が多いですよね、、笑
難しい表現に、「え?そこまで深読みする?」となるような分析、そして関連する沢山の(自分は全く知らない)本の内容が引用される、、そういった文章に心惹かれることは滅多にありませんでした。
いわば、「その本をすべて読みきった」という「達成感」を得るために解説を読んでいたレベルでした。
しかし、このアイネクライネナハトムジークの場合は全く違いました。
解説が非常にわかりやすいうえに、読後感をさらに気持ちの良いものにさえしてくる内容だったんです!

本自体の物語がおもしろいのは当然のこと、この「解説」までたっぷりと楽しめるというのが、アイネクライネナハトムジークを気に入った1つのポイントでした。
個人的に特に心に残った名言まとめ
それでは、ここからは、本書から「特に心に残った名言」をまとめていきます!
「最高の出会い」とは
「出会いがない」と嘆く男性に対して、「最高の出会いとは何か」が語られたのが以下のセリフです。
自分がどの子を好きになるかなんて、分かんねえだろ。だから、『自分が好きになったのが、この女の子で良かった。ナイス判断だったな』って後で思えるような出会いが最高だ、ってことだ
実際にこのセリフから、「良い出会いをするコツ」は学ぶことができません(笑)
しかし、何か出会いについて真理をついている、そんな気がするセリフだと感じませんか・・・?
「ナイス判断だったな」って、”後で”思えるような出会いこそが、最高のものだ。
このセリフは、非常に強く印象に残りました。
結婚生活は「外交」そのもの
いいか、藤間、外交そのものだぞ。宗教も歴史も違う、別の国だ、女房なんて。それが1つ屋根の下でやっていくんだから、外交の交渉技術が必要なんだよ。
「結婚生活」に関する名言は、大昔から色々なものがありますよね(笑)
この本の登場人物は、結婚生活を「外交」にたとえて、以下の4つが重要だとしていました。
【結婚生活で守るべき”外交政策”】
- 毅然とした態度
- 相手の顔を立てつつ
- 確約はしない
- 国土は守る

特に「国土は守る」というのが、オチとしても完璧(笑)
よく、「比喩が上手な人は賢い証拠」なんてことも言いますが、このずば抜けたセンスが羨ましすぎます・・・。
自分が正しいと思い始めたら、自分を心配しろ
続いての名言紹介です。
人は、年齢を重ねるほど、自分の意見を曲げにくくなる、とよく言います。
私も、まだ若者という部類ではあるものの、少しずつその言葉の意味を実感してきている今日このごろです。
そんな自分に向けてか、「なるほど・・・!」となったセリフが以下の内容です。
「お母さんに言われます。自分が正しい、と思い始めてきたら、自分を心配しろ、って」
(中略)
「あと、相手の間違いを正す時こそ、言葉を選べ、って」
これは、「忠告される側」と「忠告する側」の両方に気をつけるべき重要なポイントだと感じました。
「自分が正しいんだ」なんて傲慢な考えを持ち始めたら、周りの意見が耳にはいってこなくなります。
そんなことをしたら、そこで自分の成長はストップしてしまいますよね。
「あいつは何を言っているんだ。俺の意見が正しいに決まっている。
そう考え始めてしまった瞬間に、
「あ、やばい。俺今、『自分こそが正しい』って、まさに思ってるやんけ・・・。」
そう自分を客観視できるかどうかが、その後の「人としての器」を決める要因になると思います。
そして、人に忠告する側も、「どんな言葉を使うか」は細心の注意を払うべき。
言い方次第で、相手がすんなり言うことを聞いてくれることもあれば、思い切り怒らせてしまう恐れもあるわけです。
- 自分が正しいと思ったら、一度冷静になれ
- 他人の間違いを指摘するときは、言葉選びに細心の注意を払え
この2つのセリフは肝に命じておきたいと思います!
まとめ
今回は、伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』の感想と、心に残った名言をまとめていきました!
特に「結婚生活という名の”外交”の4つの教え」は一生忘れることはないと思います!(笑)
こういった絶妙なセリフに出会えるのが、伊坂幸太郎さんの小説が好きな一番の理由です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!