「理系出身で雑学が好き!!」
そんなあなたにピッタリの本が、『声に出して読みたい理系用語』でした!
「ゲシュタルト崩壊」「シンギュラリティ」「フィボナッチ数列」・・・。
このような言葉を聞いたことがある、興味がある!という理系チックな方々!
本書では、そのような専門的で面白い理系用語を「計80個」も、イラスト付きで紹介されていました。
雑学に詳しい方も、聞いたことがなかった面白い語句に、必ずや1つは出会えると思いますよ!
『声に出して読みたい理系用語』の特徴
この本の特徴として、「エデュテインメント」を目指して書かれた、と冒頭で紹介されていました。
この言葉、聞いたことがありますか?
「エデュテインメント」とは、
- 教育=エデュケーション
- 娯楽=エンターテインメント
この2つを合わせた言葉のことです。
本書ではエデュテインメントを目指した本ということで、以下のような特徴がありました。
- 語句すべてが「イラスト」つきで、視覚的に学べる
- 「用例」が毎回ユーモアのある会話で、クスっとさせられる
- 随所に科学者の「名言」があり、心にグッとくる
著者は大学でバイオテクノロジーを専攻されていたようで、「科学用語」がけっこう出てきます。
文章は短く・わかりやすく書かれているものの、最初はわずかな専門用語にも「うっ・・・」となることもありました。
しかし、内容をシンプルに表したイラストが用意されているので、「あ!そういうことか!」と直感的に理解できるようになっていたのが嬉しかったです。
そのため、難しめの語句でもスッと頭に入れられますので、安心してください。
「用例」が特に面白い(笑)
そして伝えたいのが、個人的に「用例」がツボでした・・・!笑
短い会話の中に、紹介された語句の用例を入れ、更にオチまでつけてくれるので、単語ごとに「次はどんなボケをかましてくるんじゃ・・・!」と本当に楽しめました!笑
たとえば、「不完全変態」という語句の紹介ページを取り上げます。
「不完全変態」とは、「昆虫の幼虫がサナギの時代を経ずに、直接成虫になること」です。
別名、「半変態」とも言うそうです。
すでに、この語句自体に突っ込みたい気持ちにもなりますが・・・笑
肝心な、この語句に対する用例は以下です。
男の子:「知ってる? セミって不完全変態なんだって。昆虫なのにサナギにならないなんて、なんか興奮してきたな。」
友人:「・・・・・・君は、完全変態だね。」
こういう面白いやり取りを知れば、語句の定着率が一気に高まるように感じます笑
すべての語句にユーモアのある用例を載せてくれている本書は、このように楽しみながら読み進められる工夫が嬉しかったです。
特に気に入った用語3選
それでは、ここで、私が特に気に入った用語を3つに絞って、サクッと紹介していきますね!
トゲアリトゲナシトゲトゲ
本の帯にも載っていたので、本書を手に取った方はすぐに目につく言葉でもあります。
なんと、昆虫の中に「トゲアリトゲナシトゲトゲ」となんて言う、トゲがあるのかないのかわからない、ふざけた種がいるそうです笑
なぜ、こんな名前になったのかが。その理由が以下です。
- 「トゲトゲ」という昆虫がいる。
- しかし、トゲのないトゲトゲが稀に存在し、それを「トゲナシトゲトゲ」と言う。
- さらに、体の一部にだけトゲのある、トゲナシトゲトゲも稀に存在し、これを「トゲアリトゲナシトゲトゲ」と言う。
一回聞いただけで、ずっと覚えていられそうな名前ですよね!
正式和名ではないそうですが、、、よくまあ、こんな何のひねりもない命名をしたな、と感じます笑
・・・余談ですが、私のPCで「とげあり」と打っただけで、「トゲアリトゲナシトゲトゲ」と予測変換が出てきました。初回打ちなのに・・・。
オッカムの剃刀
続いての用語は、「オッカムの剃刀」です。
この言葉は比較的有名なので、知っている方も多いかもしれませんね!
意味は、「ある事柄を説明するときには、より単純にしたほうがよい」という理論のことです。
・・・これだけ聞くと、「そんなの、当たり前やんけ!」と思うかもしれませんよね笑
しかし、実際の研究の実情を見ると、実験などのデータは、そのモデル・仮定を複雑にするほど、ある事柄を明確に証明できることが多いのです。
だから、研究者たちはつい、仮定を多くしてしまいがちなんです。
しかし、その仮定を複雑にしすぎると、今度は、他の事柄に当てはめることができなくなる恐れがあるんですね。
だからこそ、「仮定は単純にしてね。」ということを意識するためにも、「オッカムの剃刀」という言葉があえて使われているのです!
・・・そしてお気に入りは、この語句の用例でした。
女性:「私の好きなタイプ? えーと、背が高くて、顔が良くて、オシャレで、お金持ちで、優しくて気が利く人かな。」
男性:「ややこしいんで、オッカムの剃刀スタイルでお願いします。」
女性:「金。」
ファフロツキーズ現象
最後、紹介する語句は「ファフロツキーズ現象」です。
これ、SEKAI NO OWARIの『RAIN』という曲にも出てくるのですが、「たしかに聞いたことあるけど、意味は知らん。」って方多いと思います笑
実は、この「ファフロツキーズ現象」は、けっこうびっくりする事象なんですよ・・・!
「魚やカエルなど、その場にあるはずのないものが、空から大量に降ってくる現象のこと」です。
詳細が気になる方は、「イランで魚の雨が降る(ファフロツキーズ現象)」などのサイトを見てみてください。
日本でも10年ほど前に、石川県でオタマジャクシ約100匹が空から降り注いだ、という事例があるそうです・・・。
しかも、原因ははっきりわかっていないそうで・・・。
でも、こんな現実離れした感じが、いかにもSEKAI NO OWARIの楽曲に使われそうな言葉でもありますよね。
衝撃的な言葉だったので、最後にこれを取り上げました!
まとめ
今回は、信定邦洋『声に出して読みたい 理系用語』の感想と、私が特に気に入った言葉3選をまとめてきました。
本書では最後に、「理系豆知識」が載っていたのですが、それが予想以上に楽しめたのが嬉しかったです。
たとえば、
「シマウマの縞模様には、実は体温を調節する機能がある。」
これを知って、かなり驚きました笑
他にもテンポよく、豆知識系も載っているので、お得感がありましたよ!
ここまで、私は本書の紹介文で「理系!理系!」と散々連呼してきましたね・・・。
しかし、イラスト付きで用例もギャグ要素が強いということで、文系出身の方でも余裕で楽しめる本ですので、安心してくださいね!
こういう本は、新しく知った用語を一気に覚えようとするのではなく、少しずつ見返しながら覚えていくような使い方をすると知識の定着率が高いと、個人的には強く思います。
ぜひ手元において、気楽に少しずつ読み返すような読み方で、楽しんでみてください!
また、私も時間をおいて再読したいと思える本でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!